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アンクルのクラシック夜話#**    2000/**/**(毎週金曜日発行)

 クラシックの音楽家や作品のエピソ−ドを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします

  UNCLE TELL                  uncletell@lycos.ne.jp
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 アンクルのクラシック夜話#**
 ベートーベンと女性たち3  ”出来れば唇にキスを..”

 1822年、ベ−ト−ベンが弟のヨハンに送った手紙の一節。
ーー「1822年9月8日、日曜、 ・・・二人の女流声楽家が、今日訪
ねてきた。二人とも、かなりの美人で、どうしても、ぼくの手に接吻し
ようとしたから、それよりぼくの口にしてくれないかと、頼んだよ..。
 以上のようなことが、君に知らせる最近の主な出来ごとである。」

 研究者によれば、この二人の女性は、カロリ−ネ・ウンガ−ルとヘ
ンリエッテ・ゾンタ−クだとされる。二人とも当時ウイ−ンにいた声楽
家で、1824年、ベ−トーベンの「ミサ」と第九シンフィニーの演奏に
ソロのパートを受け持ち、晩年のベートーベンには、ある程度近い関
係にあった女性。 

 1822年といえば、ベートーベン52才。さすが激しかった恋愛の時
代は過ぎて、いわばそういったものの後の、静かな安息の時代だが。
 このとき彼女らは22才と16才。快活な、ハツラツとした若い二人
はきどきベートーベンを訪れて、劇を語り、音楽を論じ、いっしょに
散歩したり、シュンプルンやブラ−タ−(地名)に遊んだ。こうして打
ち解けて親しんだ彼女らとのつきあいの中に、青春の恋のひととき
そして”不滅の恋”への追憶の日々を投影していたのかもしれない。
                         UNCLE TELL        
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