######################################################################
アンクルのクラシック夜話66    2002/02/01(毎月1・15日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
  ポピュラーな話題をお送りします
    
  http://uncletell.tripod.co.jp/clap.htm 
######################################################################
===[PR]===============================================================
 スズメバチが教えてくれた森の”魔法の水”、男性も女性も、自然な髪が
 甦る、抜群の育毛力で信州・松本で秘かに売れているヘアトリートメント
 
 UNCLEの友人、クマ先生こと守屋さんが木曽の山中の山野草のエキスか
ら長年の研究の結果、精製した養毛料です。昨年秋、高校の同窓会で十何年ぶ
りで会ってその存在を。最初は無論信じませんでしたが、今ではその効き目を
実感しています。先ずふけかゆみが止まり、抜け毛が急速に減っていきます。
白髪防止の働きも。副作用のようなものはなくとても良い香りがします。
  http://www.premimi.com/
=======================================================================
 
 ほんとうは聞こえていたのかベートーベンの耳
 
 江時久(えとき・ひさし)という人の「本当は聞こえていたベートーヴェン
の耳」(NTT出版1999)という本を読んでびっくりもし、いささかショ
ックを受けた。タイトルにも示したとおり、江時さんはベートーベンの耳は、
実は聞こえていたのではないかというのである。
 第九交響曲の演奏の時、ベートーベンは作曲者のプライドからか、演壇で指
揮をとっていた。聴衆の万雷の拍手が、聴衆に背を向けて指揮棒を振っていた
彼にはわからなかった。ソプラノの歌手がベートーベンの手を取ってそれを教
えたという有名なエピソードがある。
 江時さんはいうのである。背後からの聴衆の拍手は聞こえなかったが、オー
ケストラや合唱の音は聞こえていたのではないかと。
 補聴器をいろいろ使い、晩年はベートーベンは話す相手の声が聞き取れず
筆談帳を使っていたのも事実だが、江時さんは、聴覚障害というのは多様で複
雑だから、オーケストラの音が聞こえて、拍手の音が聞こえないということは
ありうるという。
 ではどうして、江時さんはそんなことをいうのだろうか。
 文中にも対話のかたちで書いてあるが、なんと「それはね、ぼくの耳の具合
と、ベートーヴェンの耳の具合とが、まったく同じだと感じるからなんだ」と
いうのである。
 江時さんは生まれつき難聴だった。少年時代は自由になど会話は出来なかっ
た。27歳のときに、手術で左耳が聞こえるようになった。そして、ベートー
ベンも自分と同じように難聴だったろうと推測する。
 ベートーベンの伝記を読むと「人の言葉」が聞こえないとこぼしているが
「ピアノの音」が聞こえないなんて一度もこぼしていないと指摘する。
 そしてこのことは、この200年もの間、誰も考えなかったことだともいう。
 耳が聞こえない状態は「ろう」と「難聴」の二つがあり、「ろう」は失聴の
状態で、どうやっても人の言葉が聞こえない。「難聴」は大きな声だったり、
耳元で話しをすればなんとかなるなど、その程度は千差万別という。
 広くて静かな場所ではまるっきり聞こえなかったと江時さんは述懐している。
 江時さんは、たまたま難聴に生まれ、現代の医療のおかげでそれが回復する
奇跡の体験をした。人生の中で難聴者の体験と、ふつうに聞こえる社会人とし
ての体験を二つを知ることが出来た。そしていう、”なぜベートーベヴェンを
聞こえなくなった人と考えてしまうかもわかるし、それがまちがいでもあるこ
とこともよくわかるんだと”。そしてベートーベンの耳の疾患は、現代の医学
では治ってしまうものだという。ベートーベンが今の世に生きていれば、「ハ
イリゲンシュタットの遺書」など書く要はなかったかもしれないのだ。
                   UNCLE TELL       
---------------------------------------------------------------------
「アンクルのクラシック夜話」の読者数が1,000名を越えました。
 どうもありがとうございます。バックナンバーは次のURLを。
 http://uncletell.tripod.co.jp/YAWAB.html
 私が発行しているもうひとつのメルマガ「千曲川通信」のバックナンバー
 
 http://uncletell.tripod.co.jp/chikumab.html
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 新しくエッセイメールマガジン「郷愁の食物誌」の発行を開始しました。
 次のURLから登録を。発行周期は旬刊です。(もちろん無料です^^;)
 登録は次のホームページから..
 http://www.mag2.com/m/0000077975.htm
 http://uncletell.tripod.co.jp/kyop.htm
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
  UNCLE'S                  uncletell@lycos.ne.jp
     「郷愁の食物誌」」2002/**/**(毎月5・15・25発行)(予行編1)
                          
 なつかしき郷愁のたべものたちをこよなく愛おしむエッセイ、それはほの暗
いアセチレン灯の屋台で食べたの中華ソバであり、学校給食、少年の日、祭り
や縁日の綿菓子やニッキ菓子、学校帰り駄菓子屋にたむろして食べたクジ菓子
そして野山をかけずり回ってむさぼった木の実の数々...。
  http://uncletell.cool.ne.jp
//////////////////////////////////////////////////////////////////////
 ●発行責任者:UNCLE TELL
 ●ご意見・感想・質問などは掲示板へ:
  http://www80.tcup.com/8013/uncletell.html
  メールは:uncletell@lycos.ne.jp
 ●ホームページ:http://uncletell.cool.ne.jp/
 ●このメールマガジンは、インターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用
 
  して発行しています。(http://wwww.mag2.com)
 ●マガジンID:00000040338
 ●登録と解除:http://www.mag2.com/m/0000040338.htm
----------------------------------------------------------------------
 頂いたメールは掲示板また文中で紹介することがあります。匿名、不掲載希
望の場合はその旨明記下さるようお願いします。 
======================================================================
 「アンクルのクラシック夜話」バックナンバータイトル
 
 
 ・#66・ほんとうは聞こえていたのかベートーベンの耳 
 
 ・#65・懐かしのクラシック曲
 ・#64・はじめて買ったLPレコード
      リムスキー=コルサコフ:交響組曲《シェエラザード》
 ・#63・私のクラシック音楽参考書(1)
      クラシック・ディスク・コレクション301
 ・#62・くつろぎのクラシック名曲
 ・#61・モーリス・ラヴェルの悲劇と死
 
 ・#60・ベートーベンと女性達5 ファンニー・ジャンナタ・デル・リオ(2)
 ・#59・ベートーベンと女性達5 ファンニー・ジャンナタ・デル・リオ(1)
 ・#58・運動会の音楽
 ・#57・”つべこべいわずにベートーベン”その4
     「モーツアルトの時代とベートーベンの時代2」
 ・#56・”つべこべいわずにベートーベン”その3
      「モーツアルトの時代とベートーベンの時代1」
 
 ・#55・”つべこべいわずにベートーベン”その2
      「ベートーベンは、長男?」
 ・#54・”つべこべいわずにベートーベン”その1
      「ベートーベンは、長男?」
 ・#53・20年ぶり、バルトークのカルテット
 ・#52・夭折の天才・アリアーガの弦楽四重奏曲3曲
 ・#51・グレッキ:交響曲第3番<悲歌のシンフォニー>作品36
 
 ・#50・ベ−ト−ベンと女性達3 ”出来れば唇にキスを.....”
 ・#49・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(3)
 ・#48・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(2) 
 ・#47・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(1)
 ・#46・ベートーベンの死と追悼ミサ・ケルビーニ
 
 ・#45・作家の愛したクラシック
 ・#44・モーツアルトの死とベートーベンの死
 ・#43・無人島へ持っていくCD5枚
 ・#42・コンチネンタルタンゴを聴きませんか?
 ・#41・音楽室の作曲家たち
 
 ・#40・ベートーベン チェロソナタ第3番イ長調 作品69
 ・#39・ベルリオーズのレクイエム
 ・#38・春の祭典
 ・#37・シューベルトはキノコちゃん?
 ・#36・乱雑・不潔の極め付き天才、ベートーベン
 
 ・#35・不器用の天才 ベートーベン
 ・#34・ゆがんでしまったバルトーク 
 ・#33・ベートーベンと女性たち2
      ベートーベン、行きずりの恋?
 ・#32・もうひとつのクロイツエル・ソナタ
 ・#31・ハイドンの頭蓋骨の長き放浪
 
 ・#30・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(3)
 ・#29・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(2)
 ・#28・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1)  
 ・#27・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(3)
 ・#26・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(2)
 
 ・#25・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(1)
 ・#24・ベートーベンと女性たち1
      マリー・エルデーディ伯爵夫人の場合
 ・#23・ブラームスはお好き?
 ・#22・エリック・サティとドビュッシー
 ・#21・神秘なる聖なるエンヤ!
 
 ・#20・チャイコフスキーとドビュッシー
 ・#19・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(4)
 ・#18・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(3)
 ・#17・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(2)
 ・#16・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(1)
 
 ・#15・グレゴリー聖歌とジュリー・ロンドン
 ・#14・クロイツエル・ソナタ
 ・#13・当世クラシック人気作曲家ベスト30
 ・#12・ラ・フォリア物語
 ・#11・他人の奥さんを散歩に誘ったベートーベン
 
 ・#10・給食の音楽とお掃除の音楽
 ・#09・鼻ぺちゃ先生とシューベルト
 ・#08・ベートーベンの筆談帳より
 ・#07・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(3)
 ・#06・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(2)
 
 ・#05・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(1)
 ・#04・バッハ「トッカータとフーガ」二短調
 ・#03・「ウイリアム・テル序曲」「セヴィリアの理髪師序曲」とロッシーニ
 ・#02・寅さんと島崎藤村とドビュッシー
 ・#01・バッハ「ゴールドベルグ変奏曲」
---------------------------------------------------------------------------- 
 
 
inserted by FC2 system