###################################################################### クラシック炉辺夜話 2007/12/01(毎月1・15日発行) uncletell@gmail.com クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても ポピュラーな話題をお送りします http://uncletell.cool.ne.jp/melup.htm ###################################################################### もの想う秋に、浪漫クラシック選(7) もの想う秋の夜長、前回に引き続き、浪漫クラシック選の(7)をお届けす る。毎回述べているとおり、果たしてロマンチックかどうか、それはあくまで 主観的、例によって独断と偏見による選曲なので、その辺は....。 フォーレ/ヴァイオリンソナタ第2番ホ短調 フォーレが残したヴァイオリンソナタは2曲あるが、作曲年代には40年も の間隔がある。ちなみに第1番の作曲は、1876年31歳の時であり、第2 番が完成したのは1917年72歳の時であった。第1番は彼の若き日の、第 2番は晩年を代表する名作ともいわれるが、第1番の曲の方がよりポピュラー で人気も高い。第2番の方は室内楽の解説書に載っていないことも多い。第1 番については、私のこの夜話2007・02・15号でも紹介した。といこと もあり今回は、第2番ホ短調の方である。 夢見るような若やいだ部分は去り、落ち着いた、より魂の奥深く沈潜して行 くような...という感じであろうか。しかし、沁み入るような美しい旋律で ある。じっくりと聴くべき曲である。音楽評論家の大宮真琴さんは言う。−− ここでは、彼の晩年が獲得した貴重な簡潔さが実現され、単純な外観の内にき わまりなく高揚された純粋なエスプリが輝き出ている。それは昔日の第1ソナ タに比べれられぬほど高くかつ深いものであった。ーー ドビュッシー/フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ フルート、ヴィオラ、ハープという珍しい楽器編成のソナタ(三重奏曲)で あり、現在、演奏されるの室内楽曲でも他に例を見ない編成の曲であるとか。 ビュッシー晩年も53歳の1915年の作品である。色彩のあでやかさ、楽想 の美しさは格別で人気があり、特に日本人の感性にフィットするところが多い ようである。 ドビュッシーは晩年、さまざまな楽器の組み合わせによるソナタを6曲計画 したが、3曲完成したところで、それは死によって途絶した。その第1番は、 チェロとピアノのためのソナタ、第2番がこのフルート、ヴィオラとハープの ためのソナタである。第3番は、ヴァイオリンとピアノのためのソナタ、結局 作曲はされなかったが、この後、<オーボエ、ホルン、クラヴサン>、<トラ ンペット、クラリネット、ファゴット、ピアノ>、<コントラバスを含むいく つかの楽器>を、ドビュッシーは考えていたようである。もし完成していたら どんな曲に仕上がったかと、想像するのも楽しいことである。 UNCLE TELL ----------------------------------------------------------------------- 「クラシック炉辺夜話」のバックナンバーは次のURLを。 http://uncletell.cool.ne.jp/melup.htm 私が発行しているもうひとつのメルマガ「安曇野(あづみの)通信」のバッ クナンバー http://uncletell.cool.ne.jp/melup.htm ===================================================================== 「風は森はともだち」アンクルのホームページへぜひお越し下さい。アンク ルの発行しているメールマガジンのバックナンバーがそろってるほか、アンク ルが実地に取材し写真構成した「信濃路温泉ぶらり!」「信濃路の小さな素敵 店・宿・美術館」信濃の手仕事・伝統文化を紹介する「信濃路散歩」など信州 の情報と魅力がいっぱい。掲示板もありますのでご来訪をお待ちしています。 http://uncletell.cool.ne.jp/ ======================================================================= ●発行責任者:UNCLE TELL ●ご意見・感想・質問などは掲示板へ: http://www.idsmall.com/cgi/MKRES/mkres2.cgi?uncle メールは:uncletell@infoseek.jp ●ホームページ:http://uncletell.cool.ne.jp/ ●このメールマガジンは、インターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用 して発行しています。(http://wwww.mag2.com/) ●マガジンID:00000040338 ●登録と解除:http://www.mag2.com/m/0000040338.htm ---------------------------------------------------------------------- 頂いたメールは掲示板また文中で紹介することがあります。匿名、不掲載希 望の場合はその旨明記下さるようお願いします。 ====================================================================== |