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  クラシック炉辺夜話         2007/11/01(毎月1・15日発行)    
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 もの想う秋に、浪漫クラシック選(5)

 秋の夜長である。じっくりクラシック曲を聴くにはいい季節であろう。”も
の想う秋に、浪漫クラシック選”、昨年秋の続編である。ドビュシーやラベル、
フォーレの作品も紹介予定であるが、前回も述べたとおり、果たしてロマンチ
ックかどうか、それはあくまで主観的、例によって独断と偏見による選曲なの
で、その辺は承知願いたい。

 シューマン/チェロ協奏曲イ短調

  私にとって長いこと食わず嫌いのシューマンだったこともあり、この曲を知
ったのは最近のことである。音楽評論家の三枝成彰さんがその著書の中で、シ
ューマンの一押しの作品としてこの曲を挙げ、晩年に書かれたシューマン最大
の傑作であるとし、また古今の作曲家たちが書いた多くのチェロ協奏曲の中で
もドヴォルザークのそれと並ぶ最高傑作だとしている。更に、チェロという楽
器の持つ、あの深みのある哀愁に満ちた音色が、シューマンという作曲家の持
っている情念と夢想を見事に表現しているのだと、大賛辞の評価である。これ
を読んで、よし聴いて見ようと思った次第である。

 出だしの旋律が特にいい。憂愁でロマンチック、印象的で奥底でほの暗く燃
える情念といったものも感じさせる美しい曲である。ただ、この最初の曲想、
いわば一種の緊張感が最後まで続かないように思えるのが、しろうとの私の目
にはちょっぴり残念にも感じられる。としても別の評論家がいうように、この
曲は、衆目一致、美しい叙情をたたえ、シューマン独特の夢想的な面を持つ名
曲であろう。

 シューマンが作曲したチェロ協奏曲はこの一曲のみ、長いこと存在がわから
なかったヴァイオリン協奏曲も1937年に発見されたとか。作曲は1850
年頃とされる。交響曲第3番「ライン」と前後して作曲されたらしい。生前は
演奏されず、初演は死後4年目の1860年にライブツィヒで行われた。私の
持っているのは、チェロの大家、ロストロポーヴィチ演奏のもの。デュ・プレ
演奏のものもぜひ聴いて見たい。

 シューマン/ピアノ五重奏曲変ホ長調

 シューマンの作品をもうひとつ。この曲は弦楽四重奏にピアノを加えた編成。
こうした形態の五重奏曲の中では、もっともしばしば演奏され、愛好されてい
るものの一つ、またシューマンの室内楽曲の中でおそらくこれはもっとも広く
愛好されているだろう作品とか。シューマンが好んだという変ホ長調で書かれ
ていて、評論家門馬直美さんによれば、輝かしく、入念に作られていながら、
案外に親しみやすくわかりやすい、ロマン的な感情があふれているし構成も明
快でであるというが、私はちょっと物足りない。私の好みからいえばチェロ協
奏曲がいい。

 作曲した年は1842年、「室内楽曲」の年といわれた年である。9月に弦
楽四重奏曲3曲を書き上げ、すぐ続いてこの曲に着手、一ヶ月ほどで完成させ
た。12月、メンデルスゾーンがピアノを受け持って、私的に演奏されたが、
その後メンデルスゾーンのアドバイスを受け、いろいろ手直しが加えられた。
1843年、クララのピアノでゲバントハウスで初演された。
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