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  クラシック炉辺夜話      2006/11/15(毎月1・15日発行)    
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  もの想う秋に、浪漫クラシック選(2)
 
  ・レスピーギ/リュートのための古代舞曲と第3組曲
         
 日本の琵琶とは親戚、リュートは16、7世紀を中心にヨーロッパ一帯で人
気があった現代のギターに良く似た楽器。洋梨を縦に割ったような胴体を持ち、
その美しいかたちとも相まって、心温まる繊細な音色に、今静かなブームが起
こりつつあるとか。

 レスピーギ(1879〜1936)は、イタリアはボローニャ生まれの作曲
家。交響詩《ローマの噴水》に始まる「ローマ三部作」で良く知られている。
 1890年頃出版されたキレソッティという音楽家の「リュート音楽集」か
らメロディを選んでアレンジし、この作品を構成したという。曲はなにか懐か
しい感じのする静かで穏やかな旋律で始まる。リュートとは果たしてどんな音
色を、調べを奏でるのか.....。

 ・シューマン/子供の領分・クライスレリアーナ

 シューマンは私の食わず嫌いの作曲家だと以前書いたことがある。だから
彼の曲を紹介したり、すすめたりするのは今回がきっとはじめててである。

 この二つのピアノ曲集は、その性格、内容的には大きく異なる作品であるが、
いづれも1838年頃、クララとの愛が大きく進む中、すなわち新進女流ピア
ニストとして絶賛を浴びていたクララと婚約したものの、二人の結婚に猛反対
の彼女の父親を前に、いつ一緒になれるかもわからないといった期待と失望の
間で精神的に大きく揺れていた時期に書かれたものである。

 「子供の領分」について、シューマンはクララに宛てた手紙の中で、「あな
たは以前、私には子供のような一面がある、と言っていたが、その言葉の余韻
のような作品だ。服を着てはしゃぐ少女のように、30の可愛いらしい曲を書
き上げて、そこから12曲を(後から1曲を加えて13曲)を選んで《子供の
情景》と題した作品集を作りました.....、 と書いている。このピアノ曲集は
有名なトロイメライを含むことでも知られている。

 一方、クライスレリアーナはショパンに捧げた作品であるが、こちらもクラ
ラとの愛と周囲との葛藤の中で生まれてきたようである。クライスレリアーナ
という題名はドイツの裁判官・作曲家・小説家のE.T.A.ホフマン(1776〜
1822)作の同名のエッセイ集(クライスラーという名の野生的で機知に富
んだ楽長が書いた音楽評論・エッセイ集というスタイルになっている。)に因
むものである。

 ・ドボルザーク/ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」

 私にとっては懐かしい曲である。昔々、前にも書いたことがあるがコンサー
トホールというレコード頒布会に入っていて、その初めの頃送られて来た。
室内楽が好きになるきっかけとなった曲のようにも記憶する。同じ盤に、メン
デルスゾーンのピアノ三重奏曲ニ短調が入っていた。

 ドゥムキーとは、ドゥムカの複数形、ロシアやボヘミアなどスラブ系の民族
が持つ民謡の悲嘆のことだという。民族の運命を現すかのようにゆっくりとし
て哀調にみちたメロディーと対照的に狂熱的に動く早いメロディーが交互する。

 曲は1891年、アメリカへ渡る前の円熟した時期、プラーグで作曲された。
チェロの活躍が大きな比重を占めることでも印象的な作品である。
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