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  アンクルのクラシック夜話         2005/12/15(毎月1・15日発行)    
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  メンデルスゾーン(1809〜1847)の交響曲
  
 メンデルスゾーンの交響曲を私は好きであると、確か前にも夜話の中で書い
たことがある。ベートーベンやブラームのような曲の深みや精神性は薄いかも
しれないが、心躍るような優美な明快さ、さわやかさは格別である。
 メンデルスゾーンの交響曲は全部で五曲だが、良く聴かれる曲は第三番の「
スコットランド」イ短調、と第四番「イタリア」イ長調の二つである。作曲年
は、第四番の「イタリア」の方が古く1833年、第三番「スコットランド」
は1842年である。
 第三番「スコットランド」のそもそものきっかけは、1829年、20歳の
メンデルスゾーンはロンドンフルハーモニ協会の招聘により、指揮及び独奏を
するためロンドンを訪れた。一連の公演が終わった後、スコットランドを旅行
し、エディンバラでホリルードという昔の王城を見物し、着想したといわれる。
しかしすぐ作曲にとりかかったわけではなく、翌年イタリアのローマ滞在から
書き始めたものの実際に曲が仕上がったのは、12年も後の1842年だった。
 1830年11月から翌年4月まで、メンデルスゾーンはイタリアに滞在。
先に書いたようにここで第三番スコットランドの作曲が着手されたが、第四番
の「イタリア」もイタリア滞在の印象が元になっている。完成したのは3年後
1833年。生前には出版されず、没後9年後に遺稿の中から発見された。
 第四番「イタリア」について、やはり若い頃イタリアに遊んだことのあるシ
ューマンは、「私たちをイタリアの明るい空の下へつれてゆく...」と語っ
たとか。アルプスの北側に住む人々の南国イタリアへのイメージ・憧れを抽象
したものであるのだろう。この曲について、「抜けるような明るく澄んだイタ
リアの空と海」「明るい陽光が満ちる地中海の風土」「ラテン的な明るさ」な
どと良くいわれるのは十分納得する。
 内容的な深さでは第三番の「スコットランド」の方まさっていると音楽評論
家の中河原理さん。私が聴いた感じではイタリアに比べ一言でいえばこもった
感じである。味わいが濃く、感情的ニュアンス・陰影も深い、訴える力も強い
という評価も。
 スコットランドの第一楽章の導入部、アンダンテ・コン・モト、イ短調、四
分の三拍子で、瞑想的で悲しげにも美しい主題がオーボエとヴィオラによって
演奏される。それは古城ホリルードであったという悲しい事件(女王メリーの
愛した家来リジオが貴族たちによって殺された)に幻想を馳せて書いたと、メ
ンデルスゾーン自身がその書簡の中で述べているという。
 メンデルスゾーンの交響曲、イタリアやスコッットランドほどポピュラーで
はないが、第五番「宗教改革」も私のけっこうお気に入りである。
                  UNCLE TELL
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