###################################################################### アンクルのクラシック夜話28 2001/02/01(毎週金曜日発行) uncletell@lycos.ne.jp クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても ポピュラーな話題をお送りします ###################################################################### クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1) ドビュッシーは、11歳でパリ音楽院(コンセルヴァトワール)に入学し、 以後12年間在学している。彼は幼くして叔母に預けられるなど、その就学環 境は恵まれたものではなかった。 学費稼ぎもあって、教授に斡旋してもらっていろいろアルバイトをしている。 先に、”チャイコフスキーとドビュッシー”で出てきたフォン・メック夫人の 楽団のピアニストもそうなら、そのロシア行きの前年の夏には、フランス西部 のロアール川流域の中世の城、シュノンソン城に住むウイルソン・ペルーズ夫 人の三重奏団のピアノ奏者になっている。 フォン・メック夫人のところでの仕事が終わった後か、その頃モロー・サン ティという夫人の声楽教室のピアノ伴奏者にもなっている。 そこの同じピアノ伴奏者としてマリー・ブランシェ・ヴァニエがいたのであ る。たちまち、ドビュッシーは彼女と親しくなり、やがて彼女の家にも出入り するようになる。ブランシェの夫ピエール・ヴァニエやその一家は、親しく彼 を迎え入れ、家の中に一室を与え家族の一員とも考えるようになる。 そこでドビュッシーは、−−”青春の炎に身を任せて仕事をし夢み、煙草を ふかし、なかんずく恋をしたのだ。マリー・ブランシェ・ヴァニエは美人で、 夫よりずっと若く、若き賛美者ドビュッシーより年上ときていたから、彼が熱 烈に燃え上がったのは当然で、避けがたいことだった。−−「ドビュッシー」 (アントワーヌ・ゴレア著 店村新次訳 音楽之友社刊) 夫のピエール・ヴァニエは、芸術や人生のいろいろな意味でドビュッシーに 助言と影響を与えた人のようで、妻と若き書生の恋愛模様を寛大な目で見守っ ていたというか、内心はともかく動じないさまで振る舞っていたようだ。 やがて、ドビュッシーがローマ賞という著名な音楽賞で一等賞になり、その 副賞でローマに留学したので、熱も収まるだろうとも考えたようだ。しかし、 彼のいう”歌の妖精の唇”マリー・ヴァニエと離れて暮らすローマでの生活は 孤独で苦痛だった。 ドビュッシ−は、3年間のローマ留学の権利をニ年で放棄してパリに戻る。 ところがあんなに焦がれていたマリー・ブランシェ・ヴァニエとの中が、どう いう事情かわからないが破局を迎えてしまうのである。 なお、ヴァニエとの仲が、単にプラトニックだけのものだったとも思われな い。その後、ドビュッシーは放浪の時代といわれる幾年月、愛欲遍歴の時代へ と入って行く。 青年は時に、はしかのように年上の女性に強く憧れるものである。ドビュッ シーの場合もそうだったのだろうか。マリー・ブランシェ・ヴァニエにはもち ろん多くの作品が献呈されてもいる。 (つづく) UNCLE TELL −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ドビュッシーの話しはこれで何回か目ですが、私は特段、ドビュッシーが好 きとか関心を持っているわけではありません。パソコン通信のさるクラシック のSIG(シグ)に出没していた時、確かドビュッシーについて書いてくれと いうリクエストがあり、それじゃーということでいろいろ調べて書きはじめた のだと思います。 ドビュッシーが紹介されているホームページ http://www01.u-page.so-net.ne.jp/ya2/imahori/ http://tokyo.cool.ne.jp/nishi/sakkyokuka/debussy.html http://member.nifty.ne.jp/tnishita/music/debussy.html ------------------------------------------------------------------------ 私は、もうひとつ「千曲川通信」というエッセイメールマガジンを出してい ます。こちらもぜひ読者になっていただければうれしく思います。「千曲川通 信」とローカルな名前をつけてしまいましたが、話題はあれやこれや、少しで も琴線にふれるものをと...、毎週水曜日発行しています。 /////////////////////////////////////////////////////////////////////// −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ●発行責任者:UNCLE TELL ●ご意見・感想・質問はこちらへ:uncletell@lycos.ne.jp ●ホームページ:http://park.millto.net/~uncletell/ ●このメールマガジンは、インターネットの本屋さん「まぐまぐ」を利用 して発行しています。(http://wwww.mag2.com) ●マガジンID:00000040338 ●登録と解除:http://www.mag2.com/m/0000040338.htm ---------------------------------------------------------------------- 頂いたメールは文中で紹介することがあります。匿名、不掲載希望の場合は その旨明記下さるようお願いします。 ====================================================================== |