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クラシック炉辺夜話 2006/12/01(毎月1・15日発行)
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クラシックの作曲家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
楽しめるポピュラーな話題をお送りしています
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もの想う秋に、浪漫クラシック選(3)
・フォーレ(1845〜1824)/ピアノ五重奏曲第2番ハ短調
前回、2000年の「ロマンチック&クラシック選」では第1番を紹介した。
今回は第2番である。フォーレの最晩年を飾る傑作である。1921年に作曲
された。時にフォーレ76歳。
この頃、フォーレは悲惨ともいうべき聴覚障害に苦しんでいた。それはベー
トーベンの場合よりさらに悲劇的だったとも。極度の難聴であったが、わずか
に聞こえる音が非常に狂って聞こえたそうである。それは高い音や低い音に対
して特にいちじるしく、二度とか三度とかの差を持って聞こえたといわれる。
いってみれば常人ならば、とうてい音楽を聴くことも作ることも不可能な状態
だったのである。
そんなの状況のもとで書かれたこの五重奏曲、気品と崇高なものさえ感じら
れる曲になっている。そして独創性と、内容の深さと円熟しきったむしろ枯淡
の域に達した技法によってフォーレの室内楽の絶頂をなすといわれるとか。
・シューベルト/弦楽五重奏曲ハ長調
各楽章に美しい旋律が出て来て楽しめる。ただちょっと長いのと、曲に親し
める標題がついてないのが惜しい、もっとポピュラーになるのに。ある評論家
の評価では、「死と乙女」とともに、シューベルトの室内楽作品の双璧という。
この曲の楽器編成は、モーツアルトやブラームスがやったように弦楽四重奏
に第ニヴィオラを加えた五重奏でなく、チェロが二挺である。チェロが加わっ
たことから、響きの重厚さと広がりが増しているとか。
作曲は1828年の8月から9月、すなわちその死のわずか二か月ほど前。
シューベルトの生前には公開演奏は行われなかった。
・ウェーバー(1857〜1826)/クラリネット五重奏曲変ロ長調
室内楽作品だけを集めた音楽之友社の本にも載っていない曲、いわばマイナ
ーな曲である。私にしてもCDショップでたまたまナクソス盤のウェーバーの
「クラリネット作品集」を買わなかったら知ることもなかったかもしれない。
私もそうだが、名前は有名だがウェーバーといえば、一般に良く知られ聴か
れるのは歌劇「魔弾の射手」とその序曲やピアノ曲「舞踏への勧誘」くらいだ
けではないだろうか。そういうわけで決してポピュラーな曲とはいえないまで
もこの曲、旋律・内容も美しく華麗、聴いていて心地よく、楽しめる。また、
まるでクラリネットと弦楽四重奏の協奏曲のような五重奏曲だともCDの帯に
は紹介されている。
・エルガー(1857〜1934)/チェロ協奏曲ホ短調
エルガーはイギリスの作曲家。中学校で習う音楽史にイギリスの音楽家は出
てこない。古くバロック時代にパーセルというちょっと著名な作曲家がいたが
、それ以来大陸の作曲家と肩を並べうる人は輩出せず、やっと19世紀後半か
ら20世紀になって、エルガー、ヴォーン・ウイリアムス、ホルストの登場に
より、イギリスのクラシック音楽は飛躍的に発展したとか。
といってもやはり日本人にとってはイギリスの作曲家はなじみがうすい。エ
ルガーにしても、特にクラシック好きでなければ思い浮かべるのは”威風堂々”
くらいか。
イギリス生まれの薄命の美人チェリスト、ジャクリーヌ・デュ・プレ、同国
人のエルガーのこの曲を愛し、盛んに演奏し、曲の知名度を上げることにも貢
献したのではないだろうか。
曲は全編、ほの暗い色調と情感におおわれ、哀感に満ちた曲。
UNCLE TELL
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