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クラシック炉辺夜話 2006/07/01（毎月１・１５日発行)
uncletell@infoseek.jp
クラシックの作曲家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします
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今まで「アンクルのクラシック夜話」を読んでいただきありがとうございます。
２０００年７月に発行開始以来、この７月で７年目に入ります。これを期にメ
ールマガジンのタイトルをより親しまれるものにということで７月０１号から
「クラシック炉辺夜話」に変更しましたので、よろしくお願い致します。
炉辺でクラシックを聴きながら、くつろいでお読みいただければ幸いです。
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モーツアルトの息子たち
前回は大バッハの息子たちを話題にした。音楽にしても絵画でも、正直、二
代続けて、いや一族代々の中でも、歴史に大きく名を残したという例は、皆無
に近いというものだろう。バッハの息子たちと日本の絵の狩野派などはむしろ
例外中の例外なのだろう。バッハの息子のエマヌエル・バッハは、生前は、父
をも凌ぐ名声も得たとも伝えられているが、それはその当時のことで今の評価
ではない。かように芸術の歴史的業績が血の踏襲だけで行われるものでないこ
と、その偉大なアーチスト誕生には、歴史的必然性、シチュエーションが用意
され、神の摂理のようなものが働いているのではないかと思えてしまう。モー
ツアルトは確かに、３５歳の若さで夭逝したけれど、なすべきすべてのことを
なし得て旅立ったのだと。
ところでそのモーツアルト、妻コンスタンツェとの間に６人の子供をもうけ
ている。四男二女の内、成人したのは次男カール・トーマスと四男のフランツ
・クサーヴァーの二人だけである。バッハも２０人の子供の内、成人したのは
その半分、これは１７、８世紀当時としては、特に珍しくもなく普通のことだ
ったらしい。モーツアルトも７人兄弟であったが、ほとんど幼時の内になくな
ってしまい、残ったのは姉のナンネルと彼モーツアルトの二人だけということ
のようだ。
成人した二人の息子は、結局、子を残さず他界してしまったため、モーツア
ルトの子孫は子の代で終わりになったのである。
モーツアルトがコンスタンツェと結婚したのが１７８２年の８月、２６歳だ
った。結婚生活はわずか１０年。長男のライムント・レーオポルトの出生が１
７８３年６月、夫妻でザルツブルグへ旅行中、保母に預けられた赤子は８月、
腸閉塞かなにかであっけなく死去。
次男カール・トーマスは翌１７８４年９月誕生、成人したが音楽家にはなら
ず役人に。１８５８年７４歳、ミラノで没。結婚したのかはわからない。
三男ヨハン・トーマス・レーオポルトは１７８６年１０月生まれたが、一月
後、引きつけを起こして死亡。翌１７８７年１２月、長女テレジアが生まれ、
これも半年後、腸閉塞で死んだ。１７８９年１１月長次女アンナ・マリアが誕
生するも、生後一時間で引きつけを起こして死亡。
最後の子供、四男のフランツ・クサーヴァー・ヴォルフガングが生まれたの
が、モーツアルト死の年の１７９１年７月。少しは音楽の才能があったらしく
その道を志し、演奏活動のほか作曲家も行ってモーツアルト二世を名乗ったが
大成せず、生涯独身のまま、１８４４年、療養先のカールスパートで死去、５
３歳だった。サリエリに作曲を学び、サリエリの評価も高かったともされるが、
大量に出版したピアノ曲や声楽曲はあとかたなく時代に埋もれてしまったとか。
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