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  アンクルのクラシック夜話54   2001/08/01(毎月1日・15日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
  ポピュラーな話題をお送りします
 
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 お・知・ら・せ
 いつも「アンクルのクラシック夜話」をお読みいただき、ありがとうござい
ます。おかげさまで発刊以来52週(すなわち1年)を迎えました。これを機
に、また別のメールマガジンを発刊予定していることもあり、先回お知らせし
ましたとおり、「アンクルのクラシック夜話」は、今回号より、隔週発行(1
日・15日日発行)に変更としますので、なにぶんよろしくお願いいたします。
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 ”つべこべいわずにベートーベン”その1 「ベートーベンは長男?」
 
 ”つべこべいわずにベートーベン”とは、漫画家の砂川しげひささんの著作
の題名である。砂川さんは漫画家であるが、大のクラシック音楽ファン。この
”つべこべ”の他にも、”なんたってモーツアルト”とか、楽しいイラスト入
の愉快な題名の本をいくつか出している。
 題名からして、”つべこべベートーベン”の内容も想像出来ようというもの
だが、この本に載っているベートーベン像を2、3紹介してみよう。
 砂川さんによれば、ベートーベンは、音楽界の長男だというのである。次男
はモーツアルト、三男はシューベルトで、四男はブラームス、以下、ショパン
リストと続くが、後は順不動。そして誰が来たって大差ないが、末っ子はマー
ラーだというのである。
 砂川さんは言う。−−マーラーを末っ子にしたのは、我ながら目が高い!と
自負している。マーラーのあの世紀末的な音作りはベートーベンに由来する。
自分は常に時代の先を予見しているつもりでも、意識下に長兄の影が深く立ち
込める。この末の弟のマーラーにとって、すぐ上の兄たちはいないに等しい。
目の上のタンコブは頂上に君臨している長兄のベートーベン。この長男にいつ
も競争心を抱いている。なんとか長兄を凌ぎたいと切望している。−−
 なんと面白い、だが的確な見方だろう。更に、一家にはもう一人長男がいる
というのである。それはワーグナー。ただしベートーベンとは腹違いの兄弟だ
というのだ。
 妾腹の子だから日陰の身。それにもかかわらず、長男としての意識はベート
ーベン以上。自分は音楽界の頂点で燦然と輝く運命にあると固く信じている。
そのため私生活も自己中心的、貴族をはじめ友人もその妻も自分のためには献
身的に服従することを当然と考えている。森羅万象すべて自分を英雄としても
りたてるために存在している傲慢な意識だ。−−とも書いている。
 ベートーベンは弟たちのよき規範となったが、ワーグナーは、むしろそうい
うモデルになるのを避けたという。自分という最高峰と後は屑の群れという意
識。そういう兄に従順についていくのがR・シュトラウスなのだという。兄と
同じ母親から生まれた弟で、ベートーベンとは異母兄弟。
 それではベートーベンの父親は誰かというと、これは言わずと知れたJ・S
・バッハ。厳格で敬虔なクリスチャン。律儀と勤勉と退屈と子づくりとフーガ
の巨匠だというわけだ。
 ベートーベンがピアノに向かう部屋には、厳父バッハの肖像画が掲げてある。
いつも息子の仕事を眺めている。音符の一つ一つが完璧に記されているか、対
位法に不備はないかなど鋭い目でにらんでいる。
 ベートーベンはこのような息詰まるような緊張の中で仕事をしたが、ときど
き励ましにやってくるのがハイドン。バッハの弟でベートーベンの伯父にあた
る。功なり名を遂げたこの有名人はベートーベンの精神的支えだが、この伯父
に作曲の添削を仰ぐと、「作曲家は聴く者を、この伯父の音楽家としての資質
をあまり評価していない。
 ただ世渡りの先輩、人脈の広さからくる社交界の達人として一目置いている
にすぎないという。
 ともかくベートーベンの長兄としての重荷は現代まで続いていると、砂川さ
んは結ぶ。
 砂川さんによれば、ブラームスは単に四男だが、一家の中でどういう存在感
だったろうと私は考えてしまう。
 (「つべこべいわずにベートーベン」砂川しげひさ著 東京出版 1991)
                UNCLE  TELL
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  砂川しげひささんをヤフーで検索
 
  砂川しげひさ『なんたってモーツァルト
  http://plaza9.mbn.or.jp/~yonda_library/library/classic/mozart.htm
 
  砂川しげひさのコテン音楽堂
  http://members.jcom.home.ne.jp/shigh/koten/koten.html
 
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「アンクルのクラシック夜話」の読者数が1,000名を越えました。
 どうもありがとうございます。バックナンバーは次のURLを
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 私の発行している「アンクルのクラシック夜話」の各号の内容が、私自身が登
録したわけではないのですがヤフーやグーなど検索エンジンに掲載されています。
モーツアルトやベートーベンというようなおおざっぱのキーワードでは多すぎて
見つけるのが大変ですが、次のようなキーワードで入力したら最初から2、3ペ
ージまでに載っていました。(無論、「アンクルのクラシック夜話」やUNCL
E TELLでも出てきます)
 クロイツエル・ソナタ、クロード・ドビュッシー、モーツアルト毒殺、マリー
・エルディーディ、音楽室の作曲家、ラ・フォリア、ブラームスはお好き?、グ
レゴリー聖歌、ベートーベンの筆談帳、ゴールドベルグ変奏曲、ベートーベン「
不滅の恋人への手紙」、セヴィリアの理髪師序曲、ハイドンの頭蓋骨、ベルリオ
ーズのレクイエム、ベートーベン チェロソナタ第3番
 どうぞ一度試してみてやって下さい。
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 「アンクルのクラシック夜話」バックナンバータイトル
 
 
 ・#54・”つべこべいわずにベートーベン”その1
      「ベートーベンは、長男?」
 ・#53・20年ぶり、バルトークのカルテット
 ・#52・夭折の天才・アリアーガの弦楽四重奏曲3曲
 ・#51・グレッキ:交響曲第3番<悲歌のシンフォニー>作品36
 
 ・#50・ベ−ト−ベンと女性達3 ”出来れば唇にキスを.....”
 ・#49・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(3)
 ・#48・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(2) 
 ・#47・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(1)
 ・#46・ベートーベンの死と追悼ミサ・ケルビーニ
 
 ・#45・作家の愛したクラシック
 ・#44・モーツアルトの死とベートーベンの死
 ・#43・無人島へ持っていくCD5枚
 ・#42・コンチネンタルタンゴを聴きませんか?
 ・#41・音楽室の作曲家たち
 
 ・#40・ベートーベン チェロソナタ第3番イ長調 作品69
 ・#39・ベルリオーズのレクイエム
 ・#38・春の祭典
 ・#37・シューベルトはキノコちゃん?
 ・#36・乱雑・不潔の極め付き天才、ベートーベン
 
 ・#35・不器用の天才 ベートーベン
 ・#34・ゆがんでしまったバルトーク 
 ・#33・ベートーベンと女性たち2
      ベートーベン、行きずりの恋?
 ・#32・もうひとつのクロイツエル・ソナタ
 ・#31・ハイドンの頭蓋骨の長き放浪
 
 ・#30・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(3)
 ・#29・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(2)
 ・#28・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1)  
 ・#27・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(3)
 ・#26・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(2)
 
 ・#25・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(1)
 ・#24・ベートーベンと女性たち1
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 ・#21・神秘なる聖なるエンヤ!
 
 ・#20・チャイコフスキーとドビュッシー
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 ・#18・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(3)
 ・#17・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(2)
 ・#16・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(1)
 
 ・#15・グレゴリー聖歌とジュリー・ロンドン
 ・#14・クロイツエル・ソナタ
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 ・#11・他人の奥さんを散歩に誘ったベートーベン
 
 ・#10・給食の音楽とお掃除の音楽
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 ・#08・ベートーベンの筆談帳より
 ・#07・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(3)
 ・#06・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(2)
 
 ・#05・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(1)
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 ・#03・「ウイリアム・テル序曲」「セヴィリアの理髪師序曲」とロッシーニ
 ・#02・寅さんと島崎藤村とドビュッシー
 ・#01・バッハ「ゴールドベルグ変奏曲」
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