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  アンクルのクラシック夜話52     2001/07/20(毎週金曜日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
  ポピュラーな話題をお送りします
 
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 夭折の天才、アリアーガの弦楽四重奏曲3曲
 
 19話、「ロマンチック&センチメンタルクラシック選」(3)の中でも紹
介したが、この一年あまりの間に聴いた曲の中でもっとも出色、ぞくぞくとし
ショックを受けた曲である。聴く度にその魅力が増す。
 音楽評論家谷戸基岩さんのように、古今東西の弦楽四重奏曲で三大傑作を選
ぶなら、ドヴォルザークのアメリカ、シューベルトの第15番ト長調、そして
このアリアーガの第1番二短調だと、言っている人さえいる。
 スペインのモーツアルトといわれたファン・クリソストモ・デ・アリアーガ
(1806〜1826)の16,7才の時の作品。モーツアルトの同年齢時の
作品の質を遙かに凌駕しているともいう。
 ベートーベンの死ぬ1年前に、わずか20才にみたず夭折したというが、も
しベートーベンがこれらの曲を聴く機会があったらなんと言っただろうか。
 「クアルテットの名曲名演奏」(音楽の友社刊)の著者、渡辺和さんは、モ
ーツアルトそっくりの古典派4楽章形式の3曲は、どう考えてもアナクロニズ
ム。第1ヴァイオリンの優位は否定出来ないし、同じニ短調の悲劇性もスパイ
ス程度でシューベルトのそれにははるかに及ばぬ。だが、そんな弱点を承知の
の上で、人はこの曲を愛する、としている。
 インターネットのウエブで見つけた加藤幸弘さんは、そのホームページの中
で、ハイドンの弦楽四重奏曲を思わせる明朗で構成のしっかりし土台を基に、
スペイン舞曲風の旋律や、後のロマン派風の味わいが随所に聴かれる大変魅力
的な作品、と評している
 アナクロニズムというのは、現代という視点でみた感じではなかろうか。
 渡辺和さんはまた、第1番が特に人気が高い。中でも終楽章の序奏で、バロ
ック的なため息とは逆の方向にチェロがはく呟きと、それを受けてイタリア風
な端正なメロディを歌うヴァイオリンは印象的。途中で適度に第1ヴァイオリ
ンを休ませ、トップメロディべったりにならぬよう配慮するなんて、熟練の巨
匠かとも思ってしまう。やっぱり天才である、などとしゃれ表現をしている。
 いずれにしても20歳で亡くなってしまたアリアーガ。多くの天分と可能性
とを開花させぬまま、従って作曲家として独自のスタイルなど確立せぬまま夭
折してしまったことは、時代にとってもなんとも悲しく残念なことである。
 私の持っているCDはグアルネリ弦楽四重奏団(フィリップス盤)が、評価
が高いようだ。ラズモフスキーSQを推す人もいる。グアルネリSQ以外は
輸入盤。
 ぜひ一度、お聴きになってみることを薦めたい。若くして亡くなってしまっ
た天才の哀しみにふれてみてほしいと思う。なお、アリアーガには他に交響曲
オペラ・序曲も残されている。
               UNCLE  TELL
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 アリアーガ弦楽四重奏曲
 http://www.toride.com/~tkita/cd/abc/arriq.htm
 
 ラズモフスキーSQによる,アリアーガの弦楽四重奏曲全3曲
 http://homepage1.nifty.com/classicalcd/cdreviews/2000-2/2000051401.htm
 この加藤幸弘さんのホームページの一部を上の文章に引用させていただきました
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「アンクルのクラシック夜話」の読者数が1,000名を越えました。
 どうもありがとうございます。バックナンバーは次のURLを
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 私が発行しているもうひとつのメルマガ「千曲川通信」のバックナンバー
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 私の発行している「アンクルのクラシック夜話」の各号の内容が、私自身が登
録したわけではないのですがヤフーやグーなど検索エンジンに掲載されています。
モーツアルトやベートーベンというようなおおざっぱのキーワードでは多すぎて
見つけるのが大変ですが、次のようなキーワードで入力したら最初から2、3ペ
ージまでに載っていました。(無論、「アンクルのクラシック夜話」やUNCL
E TELLでも出てきます)
 クロイツエル・ソナタ、クロード・ドビュッシー、モーツアルト毒殺、マリー
・エルディーディ、音楽室の作曲家、ラ・フォリア、ブラームスはお好き?、グ
レゴリー聖歌、ベートーベンの筆談帳、ゴールドベルグ変奏曲、ベートーベン「
不滅の恋人への手紙」、セヴィリアの理髪師序曲、ハイドンの頭蓋骨、ベルリオ
ーズのレクイエム、ベートーベン チェロソナタ第3番
 どうぞ一度試してみてやって下さい。
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 ●発行責任者:UNCLE TELL
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望の場合はその旨明記下さるようお願いします。 
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 「アンクルのクラシック夜話」バックナンバータイトル
 
 
 ・#52・夭折の天才・アリアーガの弦楽四重奏曲3曲
 ・#51・グレッキ:交響曲第3番<悲歌のシンフォニー>作品36
 
 ・#50・ベ−ト−ベンと女性達3 ”出来れば唇にキスを.....”
 ・#49・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(3)
 ・#48・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(2) 
 ・#47・チャイコフスキーとフォン・メック夫人の愛と友情と挫折(1)
 ・#46・ベートーベンの死と追悼ミサ・ケルビーニ
 
 ・#45・作家の愛したクラシック
 ・#44・モーツアルトの死とベートーベンの死
 ・#43・無人島へ持っていくCD5枚
 ・#42・コンチネンタルタンゴを聴きませんか?
 ・#41・音楽室の作曲家たち
 
 ・#40・ベートーベン チェロソナタ第3番イ長調 作品69
 ・#39・ベルリオーズのレクイエム
 ・#38・春の祭典
 ・#37・シューベルトはキノコちゃん?
 ・#36・乱雑・不潔の極め付き天才、ベートーベン
 
 ・#35・不器用の天才 ベートーベン
 ・#34・ゆがんでしまったバルトーク 
 ・#33・ベートーベンと女性たち2
      ベートーベン、行きずりの恋?
 ・#32・もうひとつのクロイツエル・ソナタ
 ・#31・ハイドンの頭蓋骨の長き放浪
 
 ・#30・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(3)
 ・#29・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(2)
 ・#28・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1)  
 ・#27・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(3)
 ・#26・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(2)
 
 ・#25・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(1)
 ・#24・ベートーベンと女性たち1
      マリー・エルデーディ伯爵夫人の場合
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 ・#22・エリック・サティとドビュッシー
 ・#21・神秘なる聖なるエンヤ!
 
 ・#20・チャイコフスキーとドビュッシー
 ・#19・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(4)
 ・#18・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(3)
 ・#17・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(2)
 ・#16・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(1)
 
 ・#15・グレゴリー聖歌とジュリー・ロンドン
 ・#14・クロイツエル・ソナタ
 ・#13・当世クラシック人気作曲家ベスト30
 ・#12・ラ・フォリア物語
 ・#11・他人の奥さんを散歩に誘ったベートーベン
 
 ・#10・給食の音楽とお掃除の音楽
 ・#09・鼻ぺちゃ先生とシューベルト
 ・#08・ベートーベンの筆談帳より
 ・#07・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(3)
 ・#06・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(2)
 
 ・#05・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(1)
 ・#04・バッハ「トッカータとフーガ」二短調
 ・#03・「ウイリアム・テル序曲」「セヴィリアの理髪師序曲」とロッシーニ
 ・#02・寅さんと島崎藤村とドビュッシー
 ・#01・バッハ「ゴールドベルグ変奏曲」
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