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  アンクルのクラシック夜話46     2001/06/08(毎週金曜日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
  ポピュラーな話題をお送りします
     
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 ベートーベンの死と追悼ミサ・ケルビーニ(1760〜1842)
 
 ベートーベンが亡くなったのは、1827年3月26日夕刻である。日本で
は文政10年。
 その2日前、楽譜出版商ショットから、以前から頼んでいて何度も催促して
いた待望のラインワインが届いたが、もうベートーベンはそれを口する気力は
残っていなかった。「残念−−残念−−もう手遅れだ(Schade!Schade!...
Zu spat!)」というよく知られたベートーベンが最後に発した言葉が残ってい
る。そして、その日の夕刻からベートーベンは昏睡状態になった。
 息を引き取ったのは26日の午後5時半過ぎ、朝からとても良い天気だった
のに、春先の嵐か一天にわかにかき曇り、みぞれまじりの風雨とすざまじ雷鳴
がとどろいた。付近に大きな雷が落ちたのか、雷光が暗い部屋をすみずみまで
照らしだした。その瞬間、ベートーベンはかっと目を見開き、右拳を中空に突
き出した。そして数秒、差し上げられた腕はベッドの中に落ち、臨終の時を迎
えた。ベートーベンの伝記などによく載っているシーンである。
 ベートーベンの死の様子を後生に伝えたのは、作曲家のアンセルム・ヒュッ
テンブレンナー(1794〜1868)、シューベルトの親友とも。ヒュッテ
ンブレンナーーは前日にも訪問したのだが、遺書のとりまとめの最中というこ
とで入室を断られたという。
 26日の午後、ステファン・フォン・ブロイニングとその息子ゲルハルト、
シンドラー、ヒュッテンブレンナー、ベートーベンの弟のヨハン(あるいはそ
の妻・家政婦)、看護婦などいたが、急変はないと見て、ブロイニングとシン
ドラーは墓地の交渉のため外出したため、死の床には2、3人ほどしかいなか
ったようだ。
 ベートーベンの死因は肝硬変という。もっとも、脾臓、膵臓、胃腸、腎臓
もかなり悪くなっていた。ただ、心臓だけは丈夫だったらしい。
 
 ベートーベンの葬儀はウイーン始まって以来の、また一音楽家の葬儀として
は空前絶後ともいえる壮大なものになった。
 そして、死後8日目の4月3日、アウグスティーノ教会でモーツアルトのレ
クイエムを使って、10日目の4月5日、カール教会でケルビーニのレクイエ
ムを使って追悼ミサが行われた。
 
 伝えられるところベートーベンは、自分がレクイエムを作曲するとしたら、
その手本はケルビーニだと、言ったといわれている。また、折にふれてケルビ
ーニの音楽を賞賛してたという。そういうことでベートーベンの追悼ミサでケ
ルビーニのレクイエムが演じられたのかもしれない。
 ケルビーニ、近年では指揮者のトスカニーニやムーティがその復権に力を注
いだといわれるが、現在では、一般には忘却の彼方に置き去られた作曲家であ
ろう。
 モーツアルト、フォーレ、ベルディ、ベルリオーズにケルビーニのもの加え
五大レクイエムとも呼ばれるというのだが、ケルビーニの曲は合唱のみで、独
唱のパートがなく、その結果ドラマチチックな展開が薄い分、注目されない曲
になっているとか。
 ケルビーニは、宗教音楽においては、声楽的な技巧を避け、真の宗教音楽を
目指したとされる。 
 評論家平野昭さんは、CDの解説の中で、...ベートーベンの死者ミサで
モーツアルトの作品に並んでケルビーニのレクイエムが演奏されたという意義
を今日もう一度思い出し、考え直さなればねばならないのではないだろうか..
と述べている。
 ケルビーニのレクイエム、実にすばらしい曲、一度ぜひ聴いてみることをお
すすめする。               
                  UNCLE TELL 
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 ケルビーニの出ているウェブを紹介
 
 http://www.ne.jp/asahi/leaf/man/music/kerbini.html
 
 http://www.netlaputa.ne.jp/~hiroyosi/Imenstrom/classic/cherubini.htm
 
 http://www.os.xaxon.ne.jp/~goto/Cherubini.html
 
 http://lt.sakura.ne.jp/~ikeda/music/cheru-req.html
 
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「アンクルのクラシック夜話」のバックナンバー
 http://park.millto.net/~uncletell/YAWAB.html
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ます。こちらもぜひ読者になっていただければうれしく思います。「千曲川通
信」とローカルな名前をつけてしまいましたが、話題はあれやこれや、少しで
も琴線にふれるものをと...、毎週月曜日発行しています。
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                       2001/**/**(毎月曜日発行)
 ”信濃なる千曲の川の細石(さざれし)も  君し踏みてば
  玉と拾はむ”(万葉集)
 みすずかる信濃は、千曲川河畔から発信、なつかしきたべものたち、野の花
 と果実、石仏、風、植物誌、モーツアルト、ベートーベン、温泉、歴史散歩
 とルポ、そしてモノローグ、ノスタルジーとロマンと安らぎと...
 心から心へのエッセイメールマガジンをめざします... 
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 「アンクルのクラシック夜話」バックナンバータイトル
 
 ・#46・ベートーベンの死と追悼ミサ・ケルビーニ
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 ・#43・無人島へ持っていくCD5枚
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 ・#39・ベルリオーズのレクイエム
 ・#38・春の祭典
 ・#37・シューベルトはキノコちゃん?
 ・#36・乱雑・不潔の極め付き天才、ベートーベン
 
 ・#35・不器用の天才 ベートーベン
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 ・#30・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(3)
 ・#29・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(2)
 ・#28・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1)  
 ・#27・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(3)
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 ・#24・ベートーベンと女性たち1
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 ・#19・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(4)
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 ・#11・他人の奥さんを散歩に誘ったベートーベン
 
 ・#10・給食の音楽とお掃除の音楽
 ・#09・鼻ぺちゃ先生とシューベルト
 ・#08・ベートーベンの筆談帳より
 ・#07・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(3)
 ・#06・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(2)
 
 ・#05・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(1)
 ・#04・バッハ「トッカータとフーガ」二短調
 ・#03・「ウイリアム・テル序曲」「セヴィリアの理髪師序曲」とロッシーニ
 ・#02・寅さんと島崎藤村とドビュッシー
 ・#01・バッハ「ゴールドベルグ変奏曲」
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