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アンクルのクラシック夜話45 2001/06/01(毎週金曜日発行)
uncletell@lycos.ne.jp
クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします
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作家の愛したクラシック
クラシック音楽はもちろん現代人だけのものではない。各国にはそれぞれ民
族の歴史に裏打ちされた音楽はあるのだが、いわゆる西欧のクラシック音楽が
日本に入ってきたのは明治以後。時代精神のパイオニア、作家、文豪にも楽器
を自ら奏で、クラシック音楽をこよなく愛した人も多いという。
小学館発行の雑誌「サライ」の1994年11/3号では、そんな作家とク
ラシックの名曲との出会いを、残された随筆や小説を手掛かりに紹介している。
その特集をみていて、ええっーー?と思うような取り合わせがある。もっと
もその作家に、そういった世界があったことを自分が知らなかっただけのこと
ではあるが。
石川啄木とワーグナー、芥川龍之介とストラビンスキー、宮沢賢治とヴェル
ディ・ドボルザーク、三島由紀夫とショパン、夜話02で紹介した島崎藤村と
ドビュッシーなどなど。
啄木も、昔、私の親父(おやじ)の本棚にオレンジ色の昭和初期に出た改造
社版の全集があって、自分の本のように読んだものである。歌集「一握の砂」
に「我を愛する歌」という一連の歌があるほどナルシストんの啄木は、一時期
ワーグナーに傾倒した。
「タンホイザー」や「ローエングリン」を聴き、はては地元の新聞「岩手日
報」に「ワグネルの思想」と題する評論を7回に分け発表したほど。なんと明
治もまだ36年、1903年のことである。
芥川龍之介、彼には、−−カッフェで葉巻をくゆらしながらモーツアルトの
フルート曲を聴く..、−−というような記述がある作品「或阿呆の一生」も
あり、実生活でも音楽を聞かせる喫茶店にもよく足を運び、音楽会にもしばし
ば出かけたという。
レコードもたくさん持っていたようだ。その大部分は「火の鳥」「ペトルー
シュカ」などのストラビンスキ−のもの。
だが、なぜ時代の寵児のような新奇華麗、革命的ともいわれたストラビンス
キーの音楽に惹かれたのだろう。
龍之介の息子のひとりは父の大事にしていたストラビンスキーのレコードを
手回し蓄音機で毎日のように聴いていたとか。幼稚園へ行く道すがら、「火の
鳥」の一節を歌いながら通ったという話しもある。後に作曲家となった芥川也
寸志のことである。
このサライの特集では他に上田敏とブラームス「ラプソディ」、萩原朔太郎
とシューベルト「魔王」、エンリコ・トレルリ「嘆きのセレナード」、永井荷
風とビゼー「カルメン」・プッチーニ「トスカ」、福永武彦とシベリウス、堀
辰雄とベートーベン「田園交響曲」・バッハ「トッカータとフーガト短調」・
シューベルト「冬の旅」など、作家と作曲家、作品とのつながりやエピソード
を紹介している。
UNCLE TELL
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信」とローカルな名前をつけてしまいましたが、話題はあれやこれや、少しで
も琴線にふれるものをと...、毎週月曜日発行しています。
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「千曲川通信」#**
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”信濃なる千曲の川の細石(さざれし)も 君し踏みてば
玉と拾はむ”(万葉集)
みすずかる信濃は、千曲川河畔から発信、なつかしきたべものたち、野の花
と果実、石仏、風、植物誌、モーツアルト、ベートーベン、温泉、歴史散歩
とルポ、そしてモノローグ、ノスタルジーとロマンと安らぎと...
心から心へのエッセイメールマガジンをめざします...
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「アンクルのクラシック夜話」バックナンバータイトル
・#45・作家の愛したクラシック
・#44・モーツアルトの死とベートーベンの死
・#43・無人島へ持っていくCD5枚
・#42・コンチネンタルタンゴを聴きませんか?
・#41・音楽室の作曲家たち
・#40・ベートーベン チェロソナタ第3番イ長調 作品69
・#39・ベルリオーズのレクイエム
・#38・春の祭典
・#37・シューベルトはキノコちゃん?
・#36・乱雑・不潔の極め付き天才、ベートーベン
・#35・不器用の天才 ベートーベン
・#34・ゆがんでしまったバルトーク
・#33・ベートーベンと女性たち2
ベートーベン、行きずりの恋?
・#32・もうひとつのクロイツエル・ソナタ
・#31・ハイドンの頭蓋骨の長き放浪
・#30・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(3)
・#29・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(2)
・#28・クロード・ドビュッシーの女性遍歴(1)
・#27・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(3)
・#26・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(2)
・#25・モーツアルト毒殺(?)の新犯人(?)(1)
・#24・ベートーベンと女性たち1
マリー・エルデーディ伯爵夫人の場合
・#23・ブラームスはお好き?
・#22・エリック・サティとドビュッシー
・#21・神秘なる聖なるエンヤ!
・#20・チャイコフスキーとドビュッシー
・#19・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(4)
・#18・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(3)
・#17・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(2)
・#16・ロマンチック&センチメンタルクラシック選(1)
・#15・グレゴリー聖歌とジュリー・ロンドン
・#14・クロイツエル・ソナタ
・#13・当世クラシック人気作曲家ベスト30
・#12・ラ・フォリア物語
・#11・他人の奥さんを散歩に誘ったベートーベン
・#10・給食の音楽とお掃除の音楽
・#09・鼻ぺちゃ先生とシューベルト
・#08・ベートーベンの筆談帳より
・#07・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(3)
・#06・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(2)
・#05・ベートーベンの「不滅の恋人への手紙」より(1)
・#04・バッハ「トッカータとフーガ」二短調
・#03・「ウイリアム・テル序曲」「セヴィリアの理髪師序曲」とロッシーニ
・#02・寅さんと島崎藤村とドビュッシー
・#01・バッハ「ゴールドベルグ変奏曲」
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