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  アンクルのクラシック夜話41      2001/05/04(毎週金曜日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
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 音楽室の作曲家たち
 
 今は果たしてどうだろうか。昔、音楽室には、天井の下くらいの壁に、ズラ
リと音楽史を飾った著名な作曲家の色刷りの肖像画が張ってあった。今でも思
い描く音楽家の顔というのは、どうもその時のポスターのイメージがかなり強
烈に働いている。
 音楽室の作曲家たちは、必ずバッハ、ヘンデルで始まる。決してビバルディ
やテレマン、あるいはコレルリではない。そしてバッハ、ヘンデルに続くのは
当然のごとく、ハイドン、モーツアルト、ベートーベン、シューベルトとなる。
次はメンデルスゾーン、ショパン、シューマン、リスト、ブラームスとなるの
だが、その前に今の音楽史の比重からは、ちょっとそれるような感じもするが
ウエーバー、ロッシーニが挟まる。
 異端児のベルリオーズはいただろうか。むろんいただろう。ワーグナーはど
うだろう。なにしろ、ここに登場する音楽家ってのは、あくまでスタンダード
オースドックス。もちろん学校によっても違ったかもしれないが、あの肖像画
は教材として、上の方から配られたものかも知れない。
 そのほかいたのは、チャイコフスキー、ドボルザーク、新しい方はラベル、
ドビユッシーくらいまでだと思った。サン・サーンス、フランクもフォーレもム
ソグルスキー、スメタナ、シベリウス、R・シュトラウスも多分割愛組に入っ
ていただろう。
 現在人気のマーラーやブルックナーまでは、とても手が届いていなかったよ
うな気がする。ましてや、20世紀最大の作曲家ともいわれるバルトークや、
ショスタコービッチなどの顔もなかった。
 だがどういうわけか、その中に混じってフォスターや滝廉太郎の絵もあった。
 
 ところで私の高校受験の頃、私が住んでいた長野県では公立校は、全科目入
試の対象。音楽史も、曲の内容なんかもちろんわからず丸暗記したものだ。音
楽室の壁に張ってあるバッハやヘンデルの絵をにらみながら、バッハ、ブラン
デンブルグ協奏曲、管弦楽組曲、フーガの技法、ヘンデル、水上の音楽、王宮
の花火の音楽、調子のよい鍛冶屋とクソ暗記。
 当時のこれらの作品はただ単に音楽史に残っているものだと思っていた。ま
さか何年かのち、自分がこれらの曲を実際に聞き、ブランデンブルグ協奏曲や
管弦楽組曲のように大好きで座友の曲になるとは、露思わなかった。
 古典は現在に生きているが、これは音楽だから容易(ちょっと語弊はあるが)
に可能なのであり、文学作品では、一般に芸術的純度が高くても古色化は避け
られず、こうはいかないだろう。音楽という表現形式がもつ不思議さ、普遍性、
抽象性、純粋性なのであろう。
                   UNCLE TELL
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 (最近号を紹介)                −−−PR−−−
 
 「千曲川通信」#44 北海道の○別という地名(1)
 
 北海道には、○○別という地名が多い。すなわち登別、紋別、江別、芦別、
士別など。地名好きの私、前からちょっと気になっていた。PCーVAN(N
EC/BIGLOBEのパソコン通信ネットワーク)に以前私が出入りしてい
どを尋ねたことがある。
 結局その人からはレスは返ってこなかったが、市立図書館で「地名アイヌ語
小辞典」という小さな薄い本が目に入ったことで、つまるところ自分で調べる
ことになった。
 北海道の○○別という地名、北海道のほかの多くの地名がそうであるように
、先代アイヌ人の付けた地名から由来している。そしてこの”別”からも、ア
イヌ人の和人とは違う考え方、発想そして時に生きざままでもがかいま見られ
て興味深いものがある。
 ”別”とは、アイヌ語でpet,i ぺッ(第3人称ペチ)川の意味である。漢字
は、日本語の読みに置き換えたのだろう。川はアイヌ人の生活には切りは離さ
れない存在のようで、いろいろな形容をされた”川”が地名そのものになって
いるのである。内地にも川の名前そのものが地名になっている例もあるだろう
が、それはぐっと数少ないだろう。
 北海道の別という地名は市町村の地名のほか、ごく小さい地名を加えれば無
数といった方がいいくらいいっぱいありそうだ。
 「日本地図地名辞典」(三省堂)ほかの資料によれば登別(のぼりべつ)「
ヌプルペッ」(色の濃い川、濁れる川−−温泉が流れ込んで濁る川の意)であ
り、江別(えべつ)「エベッ」(胆汁のような川、他に諸説あり)本別(ほん
べつ)「ポンペッ」(小川)、紋別「モペッ」(大いなる川)、芦別(あしべ
つ)「アシペッ」(灌木の中を流れる川)、陸別(りくべつ)「リクンペッ」
(高い危ない川)、札幌(さっぽろ)は、元々は札幌別(さっぽろべつ)「サ
ポロペッ」と呼ばれたものが何らかの理由で省略されたとするのが有力。意味
は、乾いた大きな川。        
                    UNCLE TELL
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 本シリーズはすでに独自配信版「千曲川通信」には掲載したものですが、今
回は新たな続編、関連ウェブページを加えて紹介します。 
 
 アイヌ語地名のウエブサト・ページを紹介(1) 
 
 アイヌ語地名のPAGE
 http://www2p.biglobe.ne.jp/~nobuo/
 
 北海道のアイヌ語地名
 http://www.asahi-net.or.jp/~hi5k-stu/aynu/
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