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アンクルのクラシック夜話19 2000/12/01(毎週金曜日発行)
uncletell@lycos.ne.jp
クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします
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秋の夜長に...
”ロマンチック&センチメンタルクラシック選”(その4)
私、アンクルが独断と偏見で選んだロマンチックそしてセンチメンタルな曲
のいくつか。この曲がロマンチック?、センチメンタル?という向きもあるか
もしれないが、そこはそこ独断と偏見ということで...。
なお、室内楽が好きなので、そちらの関係の曲が多くなっています。
CDは、推薦盤というより私が持っているもの。
今回はあまり一般的でない曲も含むが、いずれもすばらしい曲ばかり。
ルクーとアリアーガについては、夭折した天才として別の稿を起こして取り
上げたい。
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・シェ−ンベルク(1874〜1951) 弦楽六重奏曲「浄められた夜」
・ベルグ(1885〜1935) 弦楽四重奏のための「叙情組曲」
この二つの曲は同じCDにカップリングされていることも。「浄められた夜
」はものによっては「浄夜」となっている。「浄められた夜」の方は弦楽合奏
または管弦楽曲で演奏されることも多い。感傷的とはいえないかもしれないが
ロマンチックな音色、時に官能的な香り、美しさにも満ちている。
ベルクは1925年、プラハで夫も子もある人妻のハンナ・フークスを知り、
やがて深く愛するようになるが、「叙情組曲」はそのハンナへのしょせんかな
わぬ想いをひそかに託した作品ではないかともいわれる。
フレーズ指揮ニューヨークフィル(CBSソニー盤)(オーケストラ版)
・ルクー(1870〜1894) ヴァイオリンソナタ ト長調
音楽史上最も惜しまれるべき夭折者の一人とか。ルクーはベルギー人、フ
ラクンクの弟子で24歳で世を去った。「クラシック名盤大全(室内楽曲編)
」(音楽之友社刊)の執筆者の一人、平林直哉さんは言う。−−フランクのそ
れよりも甘酸っぱい香りがし、さらにそのフランクのそれより弾きやすかった
ので..(中略)一時期は熱に浮かされたようにルクー漬けになった。−−−
グリュミオー(vn) カスタニョーネ(p)(フイリップス盤)
・アレンスキー(1861〜1906)ピアノ三重奏曲題1番ニ短調作品32
長くチャイコフスキーの亜流とみなされてきたが、近年再評価が進んでい
るというロシアの作曲家。CDもいくつか出ている。谷戸基岩さんは「クラ
シック・デスク・コレクション301」(音楽之友社刊)の中で、最も好き
なピアノ三重奏曲だとしている。
ボザールトリオ(フイリップス盤)
・アリアーガ(1806〜1826)弦楽四重奏曲 第1番ニ短調 第2番イ長調
第3番変ホ長調
奇しくもモーツアルト生誕後50年目の同じ誕生日に生まれ、スペインの
モーツアルトと呼ばれ、ベートーベンの死の一年前、わずか21歳の若さで
夭折した天才。CDの解説によれば、−−同じ夭折した作曲家でもモーツア
ルトやシューベルトは、ひとまず成すべきことは成し遂げて逝ったと思える。
しかしアリアーガは違う。驚くばかり成熟した作曲技法、そして明らかにロ
マン派の流れに身をおいたであろうことを示す豊かな情感をかいま見せなが
ら、本当につぼみのままで世を去ってしまった−−とある。
この弦楽四重奏曲3曲は16歳の時の作品とされる。作品の質はモーツア
ルトの同じ年齢期の作品と比してもそれを凌駕しているという。
聴く度に魅力が増幅していく。第1番の第1楽章など憂愁さに胸が詰まる。
グァルネリSQ(フィリップス盤)
・ショーソン(1855〜1899) ピアノ、ヴァイオリンと弦楽四重奏のための
コンセール ニ長調
フランクの弟子で、ショーソンと言えば詩曲と習ったが、それらと並んで
代表作のひとつ。”甘く詩的な抒情にあふれた高雅で優美な傑作”と柴田竜
一さんは評している。
コルトー(p)ティボー(vn)イスナール、ヴルフマン(vn)
ブランパン(va)アイゼンベルグ(vc)(エンジェル盤)
・ショスタコーヴィチ ピアノ五重奏曲ト短調作品57
ピアノ三重奏曲第2番ホ短調作品67
後、60年100年たって、19世紀の最も偉大な作曲家はベートーベン
だとしたら、20世紀の最も偉大な作曲家はショスタコーヴィチとなってい
る可能性も大きいと思う。
これらの曲は単にロマンチックというような作品ではない。深淵なる精神
世界につながる深い哀しみの極みの音楽。ピアノ五重奏曲の第3楽章などは
打って変わって、評論家宇野功芳さんの言う、”愉悦的でシリカル”な感じ
にびっくりするのだが..。
ボロディンSQ(TELDEC盤)
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