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アンクルのクラシック夜話18 2000/11/24(毎週金曜日発行)
uncletell@lycos.ne.jp
クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします
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秋の夜長に...
”ロマンチック&センチメンタルクラシック選”(その3)
私、アンクルが独断と偏見で選んだロマンチックそしてセンチメンタルな曲
のいくつか。この曲がロマンチック?、センチメンタル?という向きもあるか
もしれないが、そこはそこ独断と偏見ということで...。
なお、室内楽が好きなので、そちらの関係の曲が多くなっています。
CDは、推薦盤というより私が持っているもの。
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・モーツアルト クラリネット五重奏曲
−−幸福感がきわまったところにふと兆す悲哀。この曲は、晩年のモーツ
アルトならではの、そうした人間の奥底の情動を照らし出す深さがある−−、
岩下眞好さんの解説より。
ウイーン八重奏団員・ボスコフスキー(cl)(ロンドン盤)
ベルリンフィルハーモニーソリステン・ライスター(cl)(グラモフォ
ン盤)
・メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番ニ短調作品49
メンデルスゾーンはたくさんの室内楽の曲を作ったというが、今では広く聴
かれる曲は、数曲に限られてしまっているとか。その中でもこの曲は最も親し
まれている曲だろう。ロマンチック、センチメンタル、メランコリックの代名
詞のような曲だと思うのだが..。
ところで大家と大家に挟まれたメンデルスゾーンとかシューマンとか、強烈
な個性を持った作曲家は別として、一般にはだんだん聴かれる機会が少なくな
ってきているのではないかと、勝手に感じるのだがどうだろうか。
イストミン(p)スターン(vn)ローズ(vc)(ソニークラシカル盤)
・メンデルスゾーン チエロソナタ第2番ニ長調作品58
メンデルスゾーンのチェロソナタは、ロマン派の室内楽ではマイナーな存在
だという。でも評論家の大木正純さんはこの2番については、掛け値なしの名
作だと評価。
グリーゲル(vc)メルシャー(p)(NAXOS盤)
・チャイコフスキ− ピアノ三重奏曲イ短調<偉大な芸術家の思い出のため
に>
私にとって、チャイコフスキーはこの一曲だけあればいいなと思うくらい
に好きな曲。
チャイコフスキーの友人でピアノストだったニコラス・ルビンシュタインの
死を悼んで、その霊にささげるために作曲したといわれる。
1882年、チャイコフスキー42歳。尊敬する先輩を悼んで書かれたもの
だけに、それでなくとも特有な感傷に彩られたチャイコフスキーの音楽、ここ
ではいっそうもの物悲しい情緒、優美な美しさに満ちている。第1楽章は悲歌
的楽章といわれるとおりだが、全編偉大なエレジ−である。
イストミン(p)スターン(vn)ローズ(vc)(ソニークラシカル盤)
バレンボイム(p)ズッカーマン(vn)デュ・プレ(vc)(EMI盤)
・フォーレ ピアノ四重奏曲第1番ハ短調作品15
ピアノ五重奏曲第1番ニ短調作品89
ORTF弦楽四重奏団・ヴァランタン(p)(シャルラン名盤コレクション)
ヴィア・ノヴァSQ・ユボー(p)(エラート盤)
ベルネードSQ・フランソワ(p)(EMI盤)
ピアノ四重奏曲第3楽章のアダージョを聴いていて思わず涙が出てくること
も..。
−−悲哀に満ちた、深みのある絶望と希望でもって全く同時に色づけされた
特質をもつ楽章。感覚のとぎすまされたフォーレ的精神の王国にわれわれを誘
う。−−CDの解説より。
・ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番ハ短調
ラフマニノフの傑作。哀愁を帯びたこの曲の旋律は広く親しまれている。
特に第2楽章は聴いていて胸が苦しくなるほど悩ましく切ない。イギリスの
映画「逢いびき」のテ−マ音楽に使われていっそう知られるようになった。
グレムザー(p)ポーランド国立放送(so.)指揮アントニー.ヴィト
(NAXOS盤)
・ドボルザ−ク 弦楽四重奏曲第6番ヘ長調「アメリカ」
ピアノ五重奏曲イ長調作品81
弦楽四重奏曲「アメリカ」は人気曲。FM放送にもよく登場するし、出てい
るCDも多い。「アメリカ」もピアノ五重奏曲の方もドボルザーク特有の感傷
的な美しい旋律にあふれている。ピアノ三重奏曲第4番ホ短調「ドゥムキー」
も若い頃の感傷もあり好きな曲。
スメタナSQ・ハーラ(p)(デンオン盤)
・フランク ヴァイオリン・ソナタ イ長調
知る人ぞ知る名作中の名作、半日くらいこの曲を繰り返して聴いたことも度々
。でも飽きない。評論家磯田健一郎さんは、死ぬときは必ずこの曲を聴かせてく
れと遺言しているとか。名曲だけにCDも数多い。紹介したデュ・プレ演奏のも
のはチェロ編曲盤。
スーク(vn)パネンカ(p)(スプラフォン盤)
アモワイヤル(vn)ロジェ(p)(ロンドン盤)
デュ・プレ(vc)バレンボイム(p)(EMI盤)
・フランク ピアノ五重奏曲ヘ短調
同じフランクの曲だがヴァイオリンソナタ イ長調とはちょっと異質の曲。
解説によれば、聴いた感じではよくはわからないが、この曲は、フランクが
門下生の女流作曲家オギュスタ・オルメスに対して抱いたエロティックな欲
求を昇華させたものだとか。
全曲をほの暗いうずくような情念といったものが支配する。しかしこの美
しさは....。
フランソワ(p)ベルネードSQ(EMI盤)
(つづく)
UNCLE TELL
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