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  アンクルのクラシック夜話12       2000/10/12(毎週金曜日発行)   
                       uncletell@lycos.ne.jp
 
  クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
  ポピュラーな話題をお送りします
   
  http://park.millto.net/~uncletell/   
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 ラ・フォリア物語
 
 「ラ・フォリアって何?」伊那谷に住む友人から電話がかかってきた。聞い
たことあるような気がするけれどなんだったっけ...?−−シェークスピア
の劇に出てくるヒロイン、あっ、それはオフェリアか、ギリシャの神話に出て
くるミューズかな、トンチンカンなことを言っていたのだが、思い出すまでに
半日近くかかってしまった。
 後でわかったことだが、ほんとうのところは、友人はとうにそれが何である
かわかっていて、私が日頃ちょっぴりクラシックをかじっているよなどと言っ
ていたものだから、知っているか試してみたというのだった。
 その友人がよく行く喫茶店に「ラ・フォリア」という名前がついていて、ど
うも作曲家か作品の名前らしいが、店のマスターに名前の由来を聞いてもいい
が、なんだそんなことも知らないかと思われるのもしゃくだから、私に聞いて
みたというのだった。
 なんだったけ、なんだったけというわけで、家にあった音楽小辞典やらイン
ターネットで調べてもわからない。そして何時間か後、書棚の隅のにあった漫
画家、砂川しげひさ氏の「聴け聴けクラシック」(ぼくの名曲101選)(朝
日文庫)という文庫本に載っているのを発見。
 
 ラ・フォリア(La Follia)とは、普通イタリアのバロック作曲家、アルカン
ジェロ・コレルリ(1653〜1713)のヴァイオリンソナタ第12番ニ短調(作品
5−12)のことを指す。フォリア(フォリーア・フォッリーア)とは元々”
狂気”の意で、またポルトガルに起源を持つサラバンド風の舞曲という。バッ
ハの曲で有名なシャコンヌとは親戚のような関係とか。バロック期には多くの
作曲家が同じラ・フォリアの主題による変奏曲を書いているが、コレルリのこ
の作品がもっとも有名で、代名詞にさえなっているようである。
 ラ・フォリアは、ニ短調という調性もあるのだろうが、なんとももの悲しく
も美しい魅力的な旋律の曲。 
 
 茶房「ラ・フォリア」は伊那谷を流れる天竜川の東岸、県道19号線沿いの
田園地帯、伊那市の福島地区にある。駐車場から店に入る感じ、庭、樹木の趣
きもいい。屋根にはしゃれた時計台がのっている。               
 店の中にはいつもラ・フォリアを含むコレルリのバイオリンソナタやバッハ
の曲が流れている。店内はバロックの曲が流れる店にマッチし、調度や絵、彫
刻、置かれて本など、マスターの趣味の良さと教養を物語っている。
 信州の田舎町、ラ・フォリアを理解する人は、そんなに大勢とも思えないが
マスターが語るところによれば、ラ・フォリアという店の名前に惹かれて、”
懐かしい”などと、入って来る客も時にはいるとか。
 そして友人がいうのには、茶房「ラ・フォリア」は、伊那谷の教養人がよく
集まるスポットらしい。けっこう遠くから来る馴染みの客も多いとか。ミニコ
ンサートやミニ演劇なども時々行われると聞く。最近では長野県の知事候補に
立候補した作家氏もここでミニ講演会を開いたという。
 
 信州の伊那谷にラ・フォリアという名前の喫茶店がある。店主が学生時代に
好きでよく聴いた曲かも知れない。そしてもしかしたら、ラ・フォリアという
喫茶店は日本でここだけかもしれない。
                     UNCLE TELL
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 サラバンド(Sarabande<仏>)16世紀にスペインで流行した舞曲。正確な
発生地は不明、3拍子で、ゆるやかで威厳のあるのが特徴。−−音楽之友社版
音楽小辞典
 コレルリとラ・フォリアを解説したホームページを紹介
 山口美佐さんのホームページから
 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/7123/beginner/beginner_21.html
 
 バッハのシャコンヌを解説したホームページ
 シャコンヌ同好会のホームページから
 http://homepage1.nifty.com/chaconne/index2.html
 
 信州・伊那谷にある茶房「ラ・フォリア」
 http://park.millto.net/~uncletell/ph0009.html 
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 私は、もうひとつ「千曲川通信」というエッセイメールマガジンを出してい
ます。こちらもぜひ読者になっていただければうれしく思います。「千曲川
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