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       「安曇野(あづみの)通信」2011/04/15(毎月1・15日発行)
 
  ”みすずかる信濃は北アルプスの麓、安曇野を中心に信濃の光と風、なつ
   かしきたべものたち、野の花、石仏、植物誌、そしてもろもろの考現学
   などエトセトラを、ユニークな(?)筆致でお届け!”ロマンとノスタ
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  NHK朝の連ドラ「おひさま」スタート
  
 信州安曇野と松本を舞台(ロケ地)としたNHK朝の連ドラ「おひさま」が、
震災の影響で1週間遅れたが4月4日にスタート。それから10日あまり、主
人公の太陽の陽子は子役時代がはや終わり、原田知世が演じた母親も亡くなっ
ていて、活発な女学生のヒロイン役、井上真央ちゃんも登場している。

 安曇野・松本の視聴者にとって、毎日画面に写るシーン、どこで撮ったか気
にかかるところである。まあわかりそうで良くはわからないが。今は山際の細
かい農道の枝道まで舗装されているので、撮影地を見つけるのも大変そうだ。
ただ、陽子の家が安曇野のどこかにあると仮定しても、画面の展開はとても戦
前の田舎とて、とても現実的、距離的にはつながらない。まあそこがドラマと
いうものだろう。奈良井宿も出て来たりするし。

 画面に時折出てくる広大な蕎麦畑、それを求めて安曇野に来られてもそれは
ちょっと無理。あの撮影地は大町市の元スキー場のようだ。昔々の農地の状況
からすれば、桑畑が大きな比重を占めると思うが、それは出て来ない。撮ろう
にも今は現にないのだから撮りようもないが。

 安曇野の美しい風景が、画面いっぱいに紹介されるのは地元に住む者にとっ
て誇らしくもある。常念岳が背景に見える川岸の道を陽子が自転車で走る風景
が良く出てくる川辺は万水(よろずい)川だろうか。川幅いっぱに流れる川は
堰を除いて万水川くらいでは。また、母親の葬列のシーンなどで背後に写って
いた安曇富士こと有明山が印象的である。ぜひドラマの中で説明か紹介してほ
しいもの。

 昨年の8月15日号で、来春放送開始のNHK朝の連続ドラマ「おひさま」
ということで紹介したが、その中でもキャストが話す安曇野・松本言葉にとて
も興味があると書いた。だいぶ研究したのだろうか、今のところ特に違和感な
く聴いている。でも当地の方言、”ずら”の使い方はむずかしい。昔の諏訪を
舞台した「かりん」では使い方がちょっと不自然だったが。
                        UNCLE TELL 
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 「クロイツェル・ソナタ」再び 2

 「二人が演奏したのはべートーヴェンのクロイツェル・ソナタでした。あの最
初のブレストをご存じですか?ご存じでしょう!?」
 「ああ、...あのソナタは恐るべき作品ですよ。まさにあの部分がね。それ
にだいたいが、音楽というのは恐るべきものですよ。あれはいったい何なのでし
ょう。私にはわかりません。音楽とはいったい何なのですか?(中略)音楽は確
かに人間に作用する、それも恐ろしく作用します。これは私の経験から言っても
間違いありませんが、でもそれは精神を高める作用などではありません。音楽は
精神を高めるのでも低めるのでもなく、ひたすら精神を興奮させて作用するので
す。(後略)」(トルストイ著 クロイツェル・ソナタ 望月哲男訳・光文社文
庫より)

 トルストイのクロイツェル・ソナタでは、本文の三分の二も過ぎ、やっとタイ
トルとしたクロイツェル・ソナタの名が出てくる。それまで、いやその後もそう
なのだが、主人公の口を借り、作者の道徳観、恋愛・結婚観など含めた思想の反
映なのだろが、延々と、辟易するほどに語られる。先の冒頭の部分でも、クロイ
ツェル・ソナタにからめて、音楽のなせる精神作用などについて約一頁半も続く。

 地主貴族の主人公の屋敷に、昔隣近所だった男が、パリから帰って来て出入り
するようになる。独身で一見りゅうとした身のこなしの男前、音楽院も出たセミ
プロのヴァイオリニスト、ピアノを弾く主人公の30代の妻はすっかり夢中にな
る。自邸で催した晩餐会で例のクロイツェル・ソナタを二人で合奏することに。
ヴァイオリンとピアノを弾き合う二人のアイコンタクトから、主人公はただなら
ぬ気配を感じ、めらめらとした嫉妬心が体十を突き抜ける。地方出張で4、5日
留守をして屋敷に帰って来た主人公は、妻とその男が合奏している現場に遭遇す
る。主人公にとってそれはもはや姦淫していることとイコールだった。嫉妬と怒
り、憎しみで逆上した主人公はナイフで妻を刺し殺す。

 ベートーヴェンがクロイツェルを作曲したのが1803年、トルストイが、ク
ロイツェル・ソナタを発表したのはそれから90年近くたった1889年である。
ベートーヴェンの曲を聴いた強いインパクトから、この小説のイメージをふくら
ませて行った作家の感受性とは凄いものと思う。このように凄惨で恐ろしい内容
の小説のタイトルに、自分の作った曲が使われたと知ったらベートーヴェンはど
う思うであろうか。音楽評論家の吉井亜彦氏は著書「名盤鑑定百科・ベートーヴ
ェン」の中で、−−とまれ、トルストイが小説のタイトルに用いてしまったせい
で、この《クロイツェル》は、とんでもない因縁めいた業といったものを胚胎せ
ざるえなくなってしまった−−、とも書いている。

 吉井亜彦氏は、こうも言っている。−−まあトルストイがどのような考えを持
とうと、それ自体は自由であって良いのだが、なにもそこまで引き合いに出され
るというか、小説のタイトルとして用いられるのが《クロイツェル・ソナタ》で
なければならない必然性はほんとうにあるのだろうか、と僕は思う−−と。ひょ
っとしてベートーヴェンも、墓の中で迷惑顔をしているかもしれない。(続く)
                   UNCLE TELL
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 「クロイツェル・ソナタ」再び、2回でまとめる予定でしたが、都合で3回シ
リーズとします。
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