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       「安曇野(あづみの)通信」2010/03/01(毎月1・15日発行)
 
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 安曇野白鳥たより・10−03・白鳥北へ、「0806」のこと。
  
 前号発行の2月15日の時点ではまだだった安曇野の白鳥の北帰行が2月2
0日に始まったと地元の新聞が伝えている。この日の早朝、生坂村上空でまと
まった数の白鳥が隊列を組んで北へ向かって飛ぶのが確認され、白鳥の保護と
毎冬飛来数の集計をしているアルプス白鳥の会では、北帰行が始まったものと
判断したとしている。毎年のことだが、新聞のタイトルでは白鳥故郷へ、シベ
リアへ、時にはシベリアへ一直線などの文字が並び、誤解を生み易いとは、こ
の私の安曇野白鳥たよりでも何回か書いているところ。

 白鳥は中継地の道北のクッチャロ湖周辺に向かうのであって、そこで2ヶ月
以上過ごし、更に北へ向かうのは4月も下旬以降である。ここ数日来のぽかぽ
か陽気などで、南からの風が吹き込んだりすると、渡りの血が騒ぐのだろう、
気の早いグループはもうじっとしていられなくなる。私は、早く出立するグル
ープは、毎年そうではないかと思っている。そうかと思えば、帰るのは4月も
過ぎてからとのんびり構えている群れもあるのである。いづれにしても、グル
ープでいつ飛び立つか、誰がいつの時点で決め、伝達し、実行するのか不思議
に思っている。

 ところで、前回、今シーズンはサカツラガンの飛来以外、特にエポックなニ
ュースはないと書いたがちょっと訂正。「0806」の足環を付けたコハクチ
ョウが2月14日、私も安曇野へ行く時は必ず立ち寄る北穂高狐島田圃で発見
された。「0806」というのは、野鳥の渡り経路や寿命を調べる「鳥類標識
調査」のための足環に付けられた番号。

 足環は、1997年12月、池田町の山階鳥類研究所の調査員上嶋順さんが
旧明科町七貴で取り付けた。当時はまだ幼鳥だった。同シーズンに「0801
〜0808」のナンバーの足環を付け放した8羽の内、0807と1808は
2006年までに再飛来、0808は島根、鳥取、青森で、また1807は道
北のクッチャロ湖でも確認されている。0806は2008年1月に狐島田圃
で10年ぶりに確認以来、3年連続の飛来確認で地元のファンの間でも話題に
なっている。白鳥の平均寿命は8年前後、12歳というのはかなりの長寿とか。
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  バッハ、不服従の罪で城の牢に監禁される!?(その2)

 前号で、バッハの仕えたザクセン・ワイマールの領主ヴィルヘルム・エルン
スト公の命令で城内に監禁された事件を紹介したが、バッハの逮捕と解任に関
する宮廷書記官の覚え書きというのが残っている。私が参考にした新潮文庫・
カラー版作曲家の生涯「バッハ」(樋口隆一著)にその写しの写真が載ってい
る。それによると「11月6日、前楽師長兼宮廷オルガニスト、バッハは、あ
まりに頑強に自分の辞職を要求したかどで、裁判所内に拘禁されたが、12月
2日、ようやく解任の沙汰とともに解放された」とある。

 領主との関係がもろもろと悪化し、もう自分の未来はワイマールの宮廷には
ないと思い始めたバッハに手が差し伸べられた。エルンスト・アウグスト公の
后エレオノーレ・ヴィルヘルミーネはアンハルト・ケーテン候の妹に当たり、
おそらくその関係から、ケーテンの宮廷楽長に招聘されたのである。その契機
になったのは、エルンスト・アウグスト公の結婚式にケーテン候も列席してい
てその場でバッハの演奏を聴いて、その音楽と技に感心し、前任の楽長が辞め
るに当たり、バッハを後任にと考えたのだろう。

 領主ヴィルヘルム・エルンスト公にしてみれば、自分に逆らったばかりか、
次の職を順調に手に入れつつあるバッハに憎らしさ沸騰、辞任を認めるなど思
いもよらなかった。一種膠着状態のまま時間だけが過ぎ、その間にもバッハか
らの執拗な辞任要求についに堪忍袋の緒が切れてか、逮捕監禁という王権発動
に至るのである。

 ヴィルヘルム・エルンスト公が、バッハほど有名で有能な音楽家をそう簡単
には手放したくなかったのも本当であろう。事実、3年前の1713年、バッ
ハは、ハレの町の聖母教会のオルガニストの地位が空席になり応募したことが
あった。聖母教会ではバッハの演奏を聴き採用を決定したが、ヴィルヘルム・
エルンスト公はバッハを失いたくなかったので、昇給もアップして楽師長へ昇
進もさせ引き留めた。このためバッハは招聘を断ったが、自分の待遇改善のた
めにハレを利用したのでないかという疑いもかけられ、疑いを解くまで相当の
時間を要したのだった。聖母教会へのバッハの弁明の手紙が残されているとい
う。

 このように目もかけ、休暇も思いのように取らせているのに、自分の意に沿
わぬことを次々に重ねるバッハに、領主ヴィルヘルム・エルンスト公のいらだ
ちと腹立ちはとみに募っていったのだろう。バッハにしても、こと音楽に関し
ては君主を君主とも思わなかった節がある。
 
 バッハは一ヶ月近く監禁されても自分の考えを変えることはなかった。ヴィ
ルヘルム・エルンスト公もバッハの自由を奪ったことで、気は多少とも収まっ
たのかもしれないし、バッハの頑固さにも根を上げたのか、冒頭で書いたよう
にようやく12月2日にバッハを釈放するのである。この入牢中に「オルガン
名曲集」の一部が生まれたともいわれている。自由の身になったバッハとその
家族は、さっそくに新天地ケーテンへ旅立ったことだろう。新しい君主ケーテ
ンのレオポルド候の誕生日が一週間後に迫り、宮廷楽長としての最初の仕事が
待っていた。
                  UNCLE TELL
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 前号では、ヴイヘルム・エルンストと書きましたが、ヴィルヘルム・エルン
ストでしたので訂正します。また、ヴィルヘルム・エルンスト公に対し、甥公
はエルンスト・アウグスト公となっているが、エルンストの位置が逆でおかし
くないかの指摘がありました。調べましたが、これはこれで間違いないようで
す。ネットで検索したら、ザクセン・ワイマール系図というのが出て来て、そ
れによると、バッハが仕えたヴィルヘルム・エルンストはワイマールの家系と
してはどうも一代で終わり、エルンスト・アウグストの家系が現代まで続いて
いるようです。
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