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       「安曇野(あづみの)通信」2009/12/15(毎月1・15日発行)
 
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  21世紀の光と影・2
  
 ここに1969年(昭和44年)に朝日新聞社が出版した「2001年の日本
」という本がある。著者は加藤秀俊(当時は京都大学助教授)とイラストを担当
した真鍋博。構想されたのは東京オリンピックのあった1964年から2年後の
1966年夏、まえがきに、−−この本は、このきたるべき20世紀の三分の一
のあいだに、どんなことが予想されるか自由な想像力によって描いてみた絵本で
ある。この種の本は何冊か持っていたのだが、今はこれ一冊しか残っていない。

 第一部国土、第二部生活と分かれている。第一部は国内の北海道から、九州ま
で各ブロックが21世紀にはどんな変貌を遂げているかの推察展望であり、第二
部は、コンピューター、クリーニング、野鳥、主婦連、ホテルなど生活に関連す
る雑多な70項目がどのような変化をしているかの予測である。21世紀も10
年たつ今、人口と富の大都会集中が進み、概して地方と農村は疲弊しさびれてい
る。食料の国内自給もままならない。

 しかし、例えばこの本の第一部東北の項の中では、−−−まさに、21世紀は
東北の時代である、としている。雪と今まで南と北、また東西の交流を妨げてき
た峠に対するたたかいが技術革新の進展によって、決定的勝利をおさめ、無雪道
路、地域暖房の出現が、この地域のこたつ文化を解放し、東北人の潜在能力を爆
発させるからである。21世紀に入っても雪は降るだろう。しかしその時には、
雪は生活に対する障害ではなくなり、豊富な水資源のストック、電力のストック
豊作の象徴、冬期屋外レクレーションの貴重な資源としてのみ活用されるからだ、
としている。
 
 また、後10年もたてば(1970年代後半以降)、東京湾や大阪湾の沿岸は
円熟飽和状態に達し、旧臨海工業地帯はスクラップ化し、大規模工業地帯開発の
基地は、現在の無人地帯や処女地帯を求め全国的な展開を遂げる。たとえば、陸
奥湾・小川原湖地区や南部東北工業地帯や、また天然ガス、非鉄金属などをベー
スとする日本海側の工業地帯が脚光を浴びるようになる、としている。

 その頃になれば、農業や林業や水産業もその形態をすっかり変えてしまう。大
部分の農作業は自動機械化し、現在の化学工業に見られるような装置系産業とな
るだろう。コンピュータがその偉力を発揮し、「安くてうまい米」が食料不足に
悩む低開発国に輸出されているかもしれない。

 東北編のほんの一部分を紹介したにすぎないが、さてさて21世紀の今の現状
は、確かに青森までの縦貫自動車道や山形・秋田への新幹線も出来、青森へも開
通直前であるが、大方はまだ絵物語である。とても東北の時代にもなっていない
しその萌芽があるとも思えない。温暖化で積雪量そのものが少なくなってはいる
が、雪を克服しているともいえないだろうし、まして地域暖房だど実現していな
い。冬期屋外レクレーションの貴重な資源とは、スキーのことをいうのだろうが
スキー人口の大幅減少で、各地のスキー場は四苦八苦している。

 また東北地方に顕著な工業地帯なぞも出現していないし、機械化は進んではい
るが農業や林業や水産業もその形態をすっかり変えてはいないし、化学工業に見
られるような装置系産業にもなっていない、ましてや輸出出来るような「安くて
うまい米」なども出現していない。

 第一部の国土の東北の項のほんの一部分を紹介し、現在との対比を見たに過ぎ
ないが、次回以降は他の地域もみてみたい。それにしても人口減少と高齢化社会
気候変動はこれからの日本列島に大きな影を落としている。生活編で触れたいが
インターネットの発展やデジタルカメラの出現は60年代からは想像以上のもの
のようである。それも次回以降に。
                       UNCLE TELL   
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 メンデルスゾーン生誕200年とカナリア
 
 今年2009年も後残り少ないが、メンデルスゾーンは丁度200年前の1
809年2月3日に生まれている。生誕200年ということで、モーツアルト
やベートーヴェンの時のように、盛大でにぎやかなものではないけれど、内外
で相応の記念イベントなどが行われたようである。私の住む町でも、とある合
唱団が生誕200年を記念して、全演目をメンデルスゾーンの曲というポスタ
ーが目に入った。
 
 ”メンデルスゾーン生誕200年”をキーワードにヤフーとグーグルを検索
して見た。衛星テレビのBS日テレでは、開局8周年特別番組かつメンデルス
ゾーン生誕200年も記念しての番組なのであろうか、10月17日に「メン
デルスゾーン幻想」という番組を放映している。女優でピアニストの松下奈緒
が、メンデルスゾーン姉妹のミステリー、その人生の謎を紐解く..というも
の。夜話前回号や09.07.01号でも取り上げた姉ファニーとフェリック
スの関係が軸になっている。なおこの番組は前年の12月12日に放映された
もので、10月17日のものは、生誕200年にあやかっての再放送である。

 また、大阪センチュリー交響楽団とヴァイオリニスト米元響子は、「ロマン
チック・メンデルスゾーン」と題して3月22日、序曲「真夏の夜の夢」、付
随音楽「真夏の夜の夢」より“結婚行進曲”、ヴァイオリン協奏曲 ホ短調、
交響曲第4番「イタリア」のオールメンデルスゾーンのプログラムコンサート
を開催。

 12月19日には、メンデルスゾーンに最もゆかりのあるドイツ・ゲヴァン
トハウス弦楽四重奏団が来日、生誕200年特別企画として日経ホールで演奏
会を開く。演目は弦楽四重奏曲第6番、弦楽八重奏曲他。立教大学では生誕2
00年記念として、レクチャーコンサート「メンデルシスゾーンのオルガン曲
」を1月15日池袋キャンパスで開催している。

 そのほか、関西フィルハーモニーや滋賀県立芸術劇場(大津市)でも記念の
のイベントコンサートが行われたようである。レコード・CD業界のユニヴァ
ーサル・クラシックでは、19タイトルを生誕200年記念企画のアルバムと
して発売している。

  ネットに載っていたメンデルスゾーン生誕200年の記念イベントなどをい
くつか紹介したが、先にも書いたように、総じてつつましいものである。メン
デルスゾーンの生涯は38年と短いものだったが、残した作品は数多い、しか
しその作品の多さの割には、現在一般に演奏され、聴かれる作品は限られるよ
うだ。そのほかの多くの作品にも光が当たり演奏される時もくるかもしれない。

 ところでメンデルスゾーンの作品で、多くの人が先ず思い浮かべる曲はなん
だろう。ホ短調のヴァイオリン協奏曲と答える人も多いだろう。私もそうであ
る。なんといっても古今のヴァイオリン協奏曲の中でも屈指の名曲である。こ
の曲を聴くと、青春時代(といっても特段のこともないのだが)への、胸を撹
きむしられるような強い郷愁と懐古の念に囚われると、この夜話に書いたこと
もある。

 幼時からヴァイオリンにいそしんで来て、今もオーケストラの奏者として活
躍する友人から聞いたこのメンデルスゾーンのホ短調のヴァイオリン協奏曲に
まつわるエピソードは興味深い。その友人が中学生の頃だったという。家でカ
ナリアを一羽飼っていた。その部屋で、このホ短調のヴァイオリン協奏曲の練
習をしていた時のこと、出だしの例の有名な旋律、”タンタターラララーラ、
ララララララーー・・・ー”の部分を弾き出すと、籠のカナリアが端に寄って
来て、なんとその”タンタターラララーラ”に合わせるかのように精いっぱい
歌うのであった。まるでヴァイオリンの音に共鳴させているかのように..。
そして、その冒頭の部分が終わると歌うのを止めて、元の位置に戻り、またそ
の部分の練習が始まると一緒に懸命に歌うのである。このカナリアになんとも
いえぬいとおしさも感じ、友人のKさんは実に印象的な光景として、何十年た
った今でも鮮やかに覚えているという。
                    UNCLE TELL
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 上記、大阪センチュリー交響楽団の演目の中の「真夏の夜の夢」、ネットに
出ていたとおり紹介したが、最近では「真夏の夜の夢」ではなく、「夏の夜の
夢」に変わってきているとか。本元のシェークスピアの戯曲も、「夏の・・・
」になってきているという。

 ネット百科辞典ウィキペディアによれば、古く明治期、坪内逍遥等が『真夏
の夜の夢』と訳して一般化し親しまれてきた。しかしこれは原題の midsummer
nightを直訳し「真夏の夜」としたもの。正しくは6月下旬の夏至 midsummer 
day の夜のことであり、日本でいう「真夏」つまり夏のさかりの夜ではない。
そのため、『夏の夜の夢』という題が現在では一般的になりつつあるというこ
とのようである。もっとも『真夏の夜の夢』という題も長く親しまれてきたた
め、1999年公開のアメリカ映画の邦題に用いられた他、今日でもメンデル
スゾーン作曲の序曲・劇音楽などでしばしばこの表記が用いられる。
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