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UNCLE'S
クラシック炉辺夜話 2009/10/01(毎月1・15日発行)
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クラシックの音楽家や作品のエピソードを中心に読みものとしても
ポピュラーな話題をお送りします
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もの想う秋に、浪漫クラシック選(7)・その2
ドビュッシー(1862〜1918)/ピアノ三重奏曲 ト長調
えっ?ドビュッシーのピアノ三重奏曲、ドビュッシーにそんな曲があったか
な?と思う人も多いかもしれない。そう思うのも無理からぬこと。作曲され
てからおよそ100年あまりたった1980年代にスコアが発見され、刊行
された曲なのだから。
私の持っている、ドイツのピアノ三重奏団トリオ・フォントネの演奏する
フォーレ、ドビュッシー、ラヴェルのピアノ三重奏曲が収められたCDの解
説によれば...。この三重奏曲は、ドビュッシーのごく若い時期の作品の
ひとつなのだが、ドビュッシーの生前はおろか、1986年にアメリカの音
楽学者ディールの校訂による楽譜が刊行されるまでは、幻の作品だったもの
という。
ディールは、1980年、ニューヨークのピーアポント・モーガン図書館
の蔵書の中から、このピアノ三重奏曲の第1楽章とチェロパートの自筆譜を発
見、更に2年後にドビュッシーの弟子モーリス・デュメニルの遺品の中か残
りの3楽章が見つかり、これによりこの三重奏曲全体を復元した。
ディールによれば、この曲は、ドビュッシーのパリ音楽院時代の1880
年に作曲されたものという。この年の夏、ドビュッシーは、ピアノの師マル
モンテルの紹介で、音楽愛好家ののロシアはメック夫人に、ピアノ奏者およ
び子供たちの音楽教師として雇われ、一家とともにヨーロッパ各地を旅行し
た。この辺の事情及びメック夫人がチャイコフスキーの長年のパトロンであ
ったことは、私の夜話(2002・12.08号「チャイコフスキーとドビ
ュッシー」)他でも既に紹介したとおりである。なお当時、メック夫人がイ
タリアのフィレンツェ近郊からチャイコフスキーに宛てた手紙に、ドビュッ
シーが三重奏曲を作曲したとの一節があるという。
後の弦楽四重奏曲や「牧神の午後への前奏曲」を知る者には、これがドビ
ュッシーの曲かと、瞬時思うかもしれない。全体にスッキリとしていて、若
々しくてみずみずしくロマンの香りにも包まれた美しい旋律、また色彩感と
フランスのエスプリを享受出来る魅力ある曲と思う。18歳の青年のほとば
しる才気も..。第2楽章の弦のピチカートにのったピアノの可愛らしいメ
ロディ、弦とのかけあいも実にいい、楽しい。第3楽章チェロソナタのよう
な冒頭、夢みるよう、うっとりとする。
UNCLE TELL
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