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       「安曇野(あづみの)通信」2009/08/01(毎月1・15日発行)
 
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  上信越県境、標高1500メートルの秘境、野反(のぞり)湖・1

 群馬、長野、新潟の県境近く、上信越高原国立公園、わが信州のエリアには
ないが、アンクルの大のお気に入りの湖と高原である。行政的には群馬県吾妻
郡六合(くに)村にある。もっとも江戸時代はこの辺り国境がはっきりせず、
信州は須坂藩領だった時代もあったようなことも聞く。

 群馬県の野反(のぞり)湖と四万温泉、長野市に住んでいた若い頃からの憧
れの地の一つだった。四万温泉の方はまだだが、野反湖の方は10年前に長い
間の思いが実現、それ以来今年の来訪を含め五度かの地を訪ねている。最初の
旅行は、歴史講座の修学旅行のようなバスツアーで、長野市から志賀高原、渋
峠、白根山、草津温泉を経るものだった。上述の野反湖(江戸時代は野反池)
は、信州領だったという話しは、講座の師である長野県歴史館の館長でもあっ
た市川健夫先生に、バス車中で伺ったものである。

 市川先生の語るところでは、江戸時代中期か、野反池を含むこの一帯は湿地
が多く、かなり標高が高い上に信州側からも上州側からも辺境の地だった。須
坂藩は須坂藩でおのが領地としていたが、おきまりの国境争いが起こり、天領
だった上州側に負け、やむなく引き下がったという。遠い昔の出来事であるが
信州に住む一人として、なんとも悔しいことではある。

 最初の訪問から、4年後の2003年の9月はじめ、今度は、友人とクルマ
で上田から鳥居峠を越え、国道144号線を右手に浅間山を望みながら、嬬恋
村を進み、長野原から国道292号線、405号線を経て野反湖へ。きついカ
ーブの樹間道路を抜けて、湖面を目の当たりにすると感動ものである。まさに
神秘的、深い湖水の色、湖面に続く野原に白い道が延び、印象的な光景が広が
る。湖を見下ろす最初のビューポイント、野反峠休憩舎「花の駅」まわりの原
野、マツムシソウがやさしく迎えてくれた。06年7月下旬訪れた時は、一面
のノゾリキスゲの群生だった。(固有種かはわからないが、当地ではニッコウ
キスゲと呼ばず、ノゾリキスゲとしている。)

 野反湖は、周囲12キロ、標高1514メートルのダム湖。日本で一番高く
広いダム湖である。あの黒部ダム湖より標高が高いところにあるようだ。19
56年ダム湖が出来るまでは野反池と呼ばれていたという。ロックフィルダム
による堰塞湖。周囲を2000メートル級の山々に囲まれた、山岳、湖水、湿
原、草原など変化に富んだ環境にあり、上信越高原国立公園の特別地域及び自
然休養林に指定されているとか。高山植物の宝庫である。初夏から初秋にかけ
、レンゲツツジやノゾリキスゲ、ヤナギラン、イブキトラノオ、マツムスソウ
など300種以上の高山植物が咲き乱れる花の楽園となり、ハイキングやバー
ドウォッチング、キャンプを楽しむ大勢の人でにぎわう。(続く)
                       UNCLE TELL  
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 野反湖・アンクルの取材記
 上信越県境”野反(のぞり)湖畔に立つ!(03.09)
 http://uncletell.cool.ne.jp/nozori0309.htm
 ノゾリキスゲ咲く野反湖畔をスケッチ!(06.08)
 http://uncletell.cool.ne.jp/nozori0607s.htm 
  信州・花の高原、レンゲツツジとニッコウキスゲ
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  ブラームス/ハンガリー舞曲余話

 18、19世紀の昔、著作権法などという法律もなかったし、どだいそんな
意識も発想もなかったから旋律の借用、盗用、模倣などは、大げさにいえば日
常茶飯事のように行われた。それはベートーヴェンやブラームスのような大家
といえど例外ではない。

 ブラームスの若い二十歳頃、エドゥアルト・レメニィ(1830〜1189
8)というヴァイオリニストの友人がいたという。(残念ながら、ヤフーやグ
ーグルで検索しても出て来ない。)1852年、ブラームスの故郷のハンブル
グを訪れた時、知り合ったらしい。この頃までにすでに才能あるピアニストと
して嘱望され、作曲も初めていたブラームスとレメニイの若い二人はおおいに
意気投合、コンビを組んでドイツ内外に演奏旅行へ出掛けたのである。

 各都市をまわる間に、名ヴァイオリニストのヨーゼフ・ヨアヒムや名ピアニ
ストとして名高いフランツ・リストとも親交を結んだという。この旅行の間に
レメニイから、出身国ハンガリーの民謡やハンガリー・ジプシーの舞曲などに
ついて教示を受け、強く興味をいだいた。丹念にそれらを整理する一方、いく
つかは編曲も試み、演奏会のプログラムにも載せた。レメニイと別れてからも、
各地を旅行するたびに収集・研究を続け、時分なりに手を加え整理を重ねた。

 やがて、ブラームスはそれらの出版を思い立つ。「ハンガリー舞曲集」と名
付けられた作品は、1869年に第1集と第2集の10曲が、11年後の18
80年に第3集と第4集の11曲が出版された。その中で特に第5番と6番が
有名である。この第1集と2集がが出版されると、たちまち話題を呼んだ。躍
動するリズム、色彩感、旋律も美しく、これらの舞曲はたちどころに人気を集
め、いろいろな形に編曲され演奏されるようになった。

 これを見て、怒り心頭になったのが、かってブラームスに教示したレメニイ
やハンガリーの音楽家たちである。知らなかったので教えてやったら、いつの
まにか、その国の音楽家を差し置いて、自分の作品のように発表して、けしか
らんというわけで、今でいう著作権侵害と騒ぎだし、ついには裁判沙汰までに
発展したという。

 ブラームス自身は矢面に出ず、出版社がこれを受けて争ったが、結局はブラ
ームス側が勝利した。というのは、もともとは作曲とせず、編曲とし、作品番
号もつけていなかったからである、原曲も誰が作ったかわからない民謡のよう
なものだった。不愉快な思いをしたブラームスは、第3、4集では編曲に加え
、より創作的な曲を多く加えたとされる。

 歴史的な評価としたら、ハンガリーの民謡的な舞曲を世に紹介したブラーム
スの功績は大きいだろう。例え、レメニイやハンガリーの音楽家たちが作品化
発表していたとしても、歴史のふるいに耐えられたか大いに疑問である。なお
この話しは、「名曲とっておきの話」(ON BOOKS・宮本英世)に載って
いたエピソードの一コマである。
                   UNCLE TELL 
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