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       「安曇野(あづみの)通信」2009/06/15(毎月1・15日発行)
 
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 信州・松本平安曇野の山賊焼(さんぞくやき)2・その名前の由来など

 信州中部(中信とよばれる)の松本を中心とした地域では、鶏肉の唐揚げに近
いものなのだが山賊焼(さんぞくやき)と称す食べものが広く親しまれている。
前回はその第1回目、具体的にどんな食べものかを主に紹介したが、今回はその
由来などを探ってみよう。

 おなじみのネット百科事典・ウイキペディアでは、長野県中信地域の山賊焼の
名前の由来として、二つの説を紹介している。山賊焼について、調査研究したり
詳しく言及したりした本はどうもまだないようである。

 その一つは、中信地域塩尻市の店「山賊」を元祖とする説。この店から山賊焼が
広まったともいわれる。ウイキペディアでは、こちらの説の方が有力であるとし
ている。この店は今も塩尻駅前付近にあるようだ。私自身はまだ取材してないが、
ネットの情報では、。のれんには「食事処 元祖 山賊」とあり、山賊焼専門店
とか。昔は違った場所にあったらしい、場所は変わっても店は数十年来の歴史が
ありそうだ。この稿を書くのに電話でいろいろ聞きたかったが、夕方からの営業
らしく直接、話しが聞けなかった。

 名前の由来、もう一つは、松本市浅間温泉にある河昌による、「山賊はものを
取り上げることから、鶏揚げる との語呂を合わせたと」とする説。この河昌の
ホームページに、”山賊焼きの由来”なるものが載っている。その要旨をちょっ
と紹介してみよう。

 −−店主は安曇村稲核(現・松本市安曇稲核)に生まれ育った。子供の頃、よ
くおばあさんがこんな話をしてくれた。「昔は“山賊”がおって、旅人のものを
取り上げていったそうな。」子供ながらに「山賊っておっかねえなぁ(怖いなあ)。
」と思って過ごしたことを覚えている。
 
 ある日、店のメニューを考えていたときに、ふとそんなおばあさんの話を思い
出し「“取り上げる”→“鶏揚げる”。そうだ、鶏肉を豪快に揚げた料理を『山
賊焼』と銘打って、店のメニューで出そう。」“取り上げ”を“鶏揚げ”にかけ
て、また山賊の傍若無人なイメージを鶏肉の一枚肉を豪快に使った料理になぞら
えて作ったのが始まりだった。その後、おいしい鶏肉を探し求めて県内各地を行
脚、武石村の地鶏にたどり着き、秘伝のたれの味を求めて試行錯誤、ようやく今
の味に。

 そして、今でこそスーパーの惣菜コーナーでも売られている山賊焼だが、昭和
28年当時は、その特異な名前から「“山賊”だってよ〜。」とよく中傷されたり
、笑われたりしたものだったが、今でこそ懐かしい思い出だと述懐している。

 昭和28年といえば、半世紀以上も前である。今となればどちらが元祖だとあ
まり詮索してもせんのないことかもしれない。いづれの店も山賊焼の普及の大き
なファクターになったことは間違いないだろう。次回は、松本食堂事業協同組合
や松本観光協会が、山賊焼を例えば駒ヶ根のソースかつ丼に負けないような松本
の名物にしようという運動を展開しているが、その活動の一端などを中心に紹介
しよう。
                  UNCLE TELL 
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  ウェーバーとベートヴェンの会見
  
 ドイツはシュトゥットガルト生まれの作曲家ジュリアス・ベネディクト(1
804〜1885)がウィーンでのウェーバーとベートヴェンの会見記を残し
ている。ベネディクトの作曲家としての軌跡はわからないが、フンメルやウェ
ーバーを師としたらしい。

 カール・マリア・ウェーバー(1786〜1826)は、オペラ「摩弾の射
手」「オベロン」や管弦楽曲「舞踏への勧誘」の作曲家として有名、未完のも
のを含めると10作にものぼるオペラを書いたが、今は一般にはそれ以外はな
かなか聴く機会がないのではないだろうか。私もこの夜話で彼のクラリネット
五重奏曲を前に紹介したことがあるが、かなり専門性の高い音楽之友社の「名
曲解説全集・室内楽曲編」にウェーバーは載っていない。

 ドイツ国民オペラの金字塔といわれる「魔弾の射手」を、1820年(34
才)に3年を費やして書き上げ、翌年ベルリンで初演、圧倒的な成功を勝ち得
た。1823年、37才になったウェーバーは、ウィーン郊外バーデンの住居
に53才のベートーヴェンを訪問した。私の種本の一つ、1937年発行の眞
條俊雄著「音楽家列傳」(東洋図書)のウェーバーの項にその模様が載ってい
たので、そのあらましを紹介しよう。

 入室して、巨匠の居室とは思えないあまりに荒涼としたさまにウェーバーは
先ず驚いた。ありとあらゆるものが無秩序に室内に散らばっている。すなわち、
楽譜はもとより、コイン、衣類まで床の上に散乱し、テーブルの上には欠けた
コーヒーカップがあり、ピアノは開けっ放しのまま、それも幾筋も弦の切れた
のが見え、ベットなどは取り散らかして整頓したことなどないように見えた。
どこを見ても塵や埃にまみれて、これでも毎日住んでいるのかと疑うほどの光
景である。ましてや客人を迎えるたたずまいとはとても...。

 ベートーヴェンは、古い擦り切れたガウンを上に着て、落ち着きすましてい
たが、ウェーバーが部屋に入るとすぐ認め、やおら近づくと、大きな声で「お
お、来たかと..」抱擁するのだった。間をおいて、ベートーヴェンの手振り
を混ぜたおしゃべりが始まった。先ず、自分の現在の境遇、次に世間や劇場の
ことからイタリア歌劇に関する所見、最後に困った存在の甥カールのことなど、
いろいろと話しが弾んでいく。ウェーバーも相づちを打ったり、同情したり.
..、ウェーバーも巨匠とこんなにも親しく話しが出来たことに大いに感激す
るのだった。

 ウェーバーがベートーヴェンの境遇に同情し、ウィーンを離れドイツやイギ
リスに移住すれば、一層有意義に生活も出来るのではと提案説得したが、ベー
トーヴェンは自分の耳を示しながらかぶりをふり、「せっかくだが、それには
もはや余りに遅い」からと話しを打ち切った。

 それからベートーヴェンはウェーバーの手をとってなじみのホテルのレスト
ランに向かうのだった。そこで、時の移るのも忘れ芸術論に花を咲かせた。そ
の間、2回も3回もウェーバーを抱き、なかなか離れようとしないほど親愛の
情と喜びを示していたが、いよいよ別れることになると、「君の新歌劇の成功
を祈っている。行けたら自分は第一夜に拝見することにしよう。」と熱く激励
するのだった。しかし、二人はその夜以後永遠に会うことはなかった。そして
3、4年の内に相次いで世を去るのある。
                    UNCLE TELL  
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