500年続く雨乞いの祭り、信州・別所温泉岳の幟

                    ( 17.08)(作成中)

                                        

 岳の幟(たけののぼり)は、「信州の鎌倉」と呼ばれる上田市は別所温泉に伝わるめずらしい雨乞いのお祭りである。古く室町時代の大干ばつの時に、村人が夫神岳の山の神に雨乞いをしたら雨が降ったので、各家で織った布を奉納するようになったのが始まりとか。以来500年も続いてるという。

 毎年7月の15日に近い日曜日(今年2017年は7月16日)の早朝、温泉街の4地区が交替で、数十本の色とりどりの反物と竹竿でできた長さ約6メートルもの幟のぼりをかつぎ、標高1250メートルの夫婦岳山頂から別所神社まで温泉街を練り歩く。途中、笛や太鼓のリズムに合わせて、小学生女子児童の「ささら踊り」や、若手の獅子の舞いも行われる。なお、この「ささら踊り」や、獅子の舞いは元々は別の祭であったが、ある時期から統合されて行われるようになったという。

 この「岳の幟」は、長野オリンピック閉会式でも披露され、緑の山々や田園をバックに色鮮やかに映える幟の美しさで有名になり、今では県内外から多くの観光客やカメラマンが集まる。 日本三大幟祭りの一つとされ、国指定選択重要無形文化財。

 この祭は重要文化財に指定されているだけあって、一見の価値ある祭・行事である。私もこの10年この方、毎年のように松本市から峠を越え取材に出掛けている。祭そのものは早朝に始ま、お昼までには終わってしまう。その後、温泉に入るのも楽しみである。雨乞いの祭とはいえ、梅雨の時期だけに雨に会うケースも多いが、印象的な一度見たら忘れられないお祭と思う。(取材7月16日)

              

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